Voices
未来を拓く私たちの想い
事業本部長インタビュー
「私たちのお客様は地球」
未来を"内側"から支え続ける事業へ。
半導体の「進化」と「革新」で社会の変化を先導している半導体・デバイス事業本部。そのトップである竹見事業本部長に、先日発表された「新中期事業戦略」と新しい事業タグライン『Built into the Future(ビルト・イントゥ・ザ・フューチャー)』について伺いました。
Profile
竹見 政義TAKEMI, Masayoshi
常務執行役
半導体・デバイス事業本部長
博士(工学)
略歴
- 1991年4月三菱電機株式会社 入社
- 2016年4月半導体・デバイス業務部 次長
- 2018年4月高周波光デバイス製作所 副所長
- 2019年4月高周波光デバイス製作所長
- 2022年4月上席執行役員 半導体・デバイス事業本部長
- 2026年4月常務執行役 半導体・デバイス事業本部長
インタビュアー
稲次 敏彦INAJI, Toshihiko
半導体・デバイス事業本部
半導体・デバイス業務部 企画グループ
略歴
- 2012年4月三菱電機株式会社 入社
パワーデバイス製作所 ウエハ技術部 製品技術第二課 - 2021年10月パワーデバイス製作所 事業企画プロジェクトグループ
- 2023年4月パワーデバイス製作所 営業部 SiC事業グループ
- 2025年4月パワーデバイス製作所 営業部 事業計画課
- 2026年4月半導体・デバイス業務部 企画グループ
INDEX
三菱電機の半導体がなぜ今変わるべきなのか?
稲次昨今の「地球温暖化の深刻化」や「AIの急速な普及」によって、半導体ビジネスを取り巻く環境は激変しています。竹見さんはこの変化をどのように受け止めていますか?
竹見まず地球温暖化への対応は、もはや単なるコストや努力目標の話ではありません。「限られた資源をいかに効率よく使うか」という解決策を示せなければ、事業を続けていくことすらできない「絶対条件」になっています。
またAIの爆発的な普及についても、単に「作業を効率化する便利ツール」として使うレベルの話ではありません。「AIを活用して働くこと」を前提に業務そのものを再設計しなければ、企業として生き残れないほどのインパクトがあります。
稲次「事業の存続」という言葉に、事態の深刻さが表れていますね。
竹見はい。まさに今は大きな時代の岐路です。明確な戦略を持たなければ一気に取り残されるリスクがありますが、逆にここで自ら打開策を示せれば、さらに大きく飛躍できる、と私はその両面を感じているところです。
稲次そうした激動の時代において、半導体・デバイス事業本部は今後どのように変わっていくべきだとお考えですか?
竹見これまでの成功体験や「過去の延長線上にある仕事」を続けていては生き残れません。だからこそ、私たちが「お客様や社会のどんな課題を解決できる存在なのか」を、自分たちの手で新しく定義し直せる集団になる必要があります。
稲次その「自らを再定義し、新しい集団に生まれ変わる」という想いが、今回の「新中期事業戦略」に込められているのですね。
竹見その通りです。これからの変化に対して、過去の経験則は通用しません。だからこそ、「脱炭素社会」と「AI社会」が進む中で立ち塞がる社会課題(ボトルネック)を、私たちの半導体技術でどう打ち破るのか。それを世の中に明確に示し、行動に移すためのアクションが、今回の「新中期事業戦略」なのです。
「地球というお客様」に2つの事業が応える新戦略
稲次ここからは、新中期事業戦略の軸となる「パワーデバイス事業」と「高周波・光デバイス事業」について詳しく伺います。まずは1つ目のパワーデバイスについて教えてください。
竹見パワーデバイスは、電気を無駄なく変換・制御する「省エネの要」であり、脱炭素社会に向けた真のキーデバイスです。今回強化を掲げた「高耐圧・高信頼性分野」は、大きな電力を扱う社会インフラや産業機器において、いかにCO2排出と電力ロスを抑えるかにターゲットを絞った戦略です。
さらに、従来のシリコンよりはるかに省エネ性能が高い次世代素材「SiC(シリコンカーバイド)」の適用拡大にも、全精力を注ぎ込みます。「私たちのお客様は地球である」という視点に立ち、何ができるのかを懸命に突き詰めた結果が、この戦略の柱です。
稲次AIの普及で電力需要が急増する中、パワーデバイスはまさに社会課題のど真ん中にありますね。
竹見はい。AI社会の大きな課題(ボトルネック)は、データセンターなどの爆発的な電力消費です。私たちの戦略は、データセンターの省エネ化や、再生可能エネルギーを含む大規模な社会インフラの電力効率化を直接目指しています。脱炭素とAI化の両立を陰で支える、私たちの強い決意の表れです。
稲次続いて2つ目の「高周波・光デバイス事業」では、急速に高まる需要に応えるため、「EMLチップの生産能力を3倍超へ増強する」という具体的な目標も掲げられています。
竹見この事業は、光や電波を使って大容量のデータを超高速で送受信する技術で、通信インフラや快適な暮らしを支えています。中でも「EMLチップ」は、AIデータセンター内部でデータを超高速でやり取りするための重要部品です。三菱電機はこのEMLチップで世界シェア1位※1を誇っています。生産能力を3倍以上に引き上げる増産計画を力強く推進し、最先端デバイスを安定供給することで、爆発的に広がるAI社会の基盤をしっかり支えていきます。
※1:データセンター向けEMLチップにおける24年度実績、当社調べ
稲次AI社会のインフラを担うこの事業の重要性を竹見さんはどのようにお考えでしょうか。
竹見単に「AIが普及したから需要が増えた」という受け身の捉え方はしていません。私たちがEMLチップを大量かつ安定的に供給することこそが起点となり、世の中のAI活用がさらに加速していく。そうした社会的責任と誇りを持って、この事業に臨んでいます。
未来を「内側」から支え続ける私たちの誇りと覚悟
稲次次に事業タグライン『Built into the Future』についてお伺いします。ブランド動画を視聴し、「内側から未来の形を変えていく」という言葉から静かに燃える情熱を感じました。新たに誕生した事業タグラインで、社内外へどのような想いを伝えたいとお考えでしょうか?
竹見時代がどう変わろうと、半導体はあらゆる製品や社会システムの内側に組み込まれ、未来を根底から支え続けています。その揺るがない存在感と誇りを言語化したのが『Built into the Future』です。半導体は製品の中に隠れているため、社員からも「家族や友人に自分の仕事をうまく説明できない」という声をよく聞きますが、表には見えない場所で、地球や社会の未来を支えているのが半導体です。その誇りを社外に発信すると同時に、社員の皆さんにも「自分たちの仕事の価値」を改めて実感してほしいと考えています。
稲次私自身も「社会を陰から支えている」という実感があったので、自分の仕事の価値が言語化されたように感じて勇気をもらえました。
竹見半導体・デバイス事業本部で働く皆さんには今回のタグラインをきっかけに、自分たちの仕事がどう未来に繋がっているのかを再確認し、胸を張って仕事に向き合ってもらえたら嬉しいですね。
稲次新中期事業戦略を推進していくことは、この『Built into the Future』が描く理想の形をそのまま実現していくプロセスですね。
竹見まさにその通りです。戦略を推し進めて社会課題を解決していくことは『Built into the Future』を体現していくことに直結します。一方で、私たちは2030年、2035年に訪れる未来に向けた「次世代の開発」も今から進めていかなければなりません。それは時に、これまでの成功体験や既存技術を自ら否定して新しいものを生み出す、まさに「イノベーションのジレンマ」との闘いです。しかし、現状維持では持続可能な未来はつくれません。今の社会を支えつつ、未来の自分たちをも超えていく、その両方を同時にやり抜く覚悟を持っています。
自分たちの手で社会の形を変えるという想い
稲次インタビューの最後に、これから社会へ羽ばたく学生の皆さんに向けたメッセージを伺いたいと思います。竹見さんは、どのような志を持った方と一緒に働きたいとお考えですか?
竹見今の学生さんには「自分たちの手で社会を良くしたい」「世の中に貢献したい」という強い想いを持った方がとても多いと感じています。そうした皆さんには、既存の枠にとらわれない柔軟な発想で、自らの限界を突破するような飛躍的な成長を目指してほしいですね。
すでに結果が見えている安全な道だけでなく、何度も壁にぶち当たるような未知の課題にこそ果敢に挑んでほしい。試行錯誤を重ねて壁を乗り越え、世の中を動かす成果を上げる――そんな熱い情熱を持った人たちと一緒に、未だ見ぬ未来の社会を創っていきたいと思っています。
稲次最後に、未来の半導体・デバイス事業を担う次世代の皆さんへメッセージをお願いします。
竹見歴史を振り返ると、社会の暮らしが劇的に変わる瞬間には、常に「半導体の進化と革新」がありました。例えば、青色LEDの発明によって世の中の照明が一気に「省エネで長寿命なLED」へと置き換わったのもその一つです。次に世界を変える革新が何年後に訪れるかは分かりません。ですが、内に秘めた熱い想いで次の進化を起こし、社会の変化を自ら先導してほしい。「自分たちの手で社会の形を変える」。三菱電機は、その大きな夢をカタチにできる場所です。この場所で、同じ志を持つ仲間とともに、果敢に挑戦してくれることを心から楽しみにしています。
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仕事をする上で大切にしてほしいのは、
「情熱」と「遊び心」
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