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CLUB DIATONE

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製品徹底レビュー
Product Review

DIATONE SOUND.NAVI
NR-MZ300PREMI

オーディオ評論家土方久明による
徹底試聴!!

試聴会の総論

ダイヤトーンの最新鋭センターユニット「NR-MZ300PREMI」を中心に、クラシック、ジャズ、ボーカル、アニソン等々まで多くのジャンルの楽曲を試聴した。
結論として「NR-MZ300PREMI」の再生音は、期待を大きく上回るものだった。筆者が感じた本機のアドバンテージは大きく4点ある。
まず1点目は、ライン出力、スピーカー出力、両者とも情報量が多いこと。2点目は聴感上のS/N比が高くノイズフロアが低い、つまり小レベルの音がスポイルされず、サウンドステージの表現に長けていること。3点目は内蔵アンプの音が良かったこと。4点目は、音色にクセが少なく音源が持つ音色や音調をアキュレイト(正確)に表現できていたことだ。
この特長は、筆者が出向くコンテストでエントラントの車を聴いていた時とある程度共通しており(もちろんインストーラーの個性が反映されるが)、今回の取材でも改めて実感した次第だ。

試聴環境

カマシ・ワシントン
「Street Fighter Mas」

テナーサックス奏者のカマシ・ワシントンは、進化を続ける現代のジャズシーンで中心的アーティストの1人として知られている。
現代のジャズは、ロバート・グラスパーという革新的なピアニストの登場後、その世界観が大きく変化した。そんなジャズシーンでカマシ・ワシントンの果たす役割は大きい。
「Heaven And Earth」は、2018年8月に発売されたセカンドアルバム。『Earth』『Heaven』という2つのパートから構成される合計16曲(CDだと2枚組)の楽曲により、独創的な世界観をこれでもかと表現している話題作だ。
近年のカーオーディオコンテストだと、ボーカルが入らないJazzはあまり課題曲には使われないものの聴き所は多い。(筆者はどこかのコンテストで本アルバムを使おうと虎視眈々狙っているのだが)「Street Fighter Mas」を試聴すると、冒頭のキックドラムに力強さがある。
質感表現も高く、まるでその場にドラムがあるようなリアルな音だ。冒頭のパートでは、楽器の数が少ないが録音現場の空気感を秀逸に再現しているのが特に印象に残った。これはセンターユニット「NR-MZ300PREMI」のノイズフロアが低く、低レベルの信号がノイズに埋もれていない証拠だ。続いて出てくる、エレクトリックベースは2本のスピーカーのセンターに明瞭に定位する。やはりカーオーディオコンテストでこの曲を聴いてみたいと改めて思った。
ピアノの質感が艶やかで、1:00前後から始まるコーラスの分離も良好である。圧巻は1:24近辺から始まる、カマシ・ワシントンのテナーサックスで、バックミュージックから浮き上がり、センター付近にビシっと定位する。
センターユニット、アンプ、スピーカー3者の性能が良くないと、ここまで明瞭には聴こえてこない。
多彩な楽曲を駆使して、独自の世界観を作り出したアーティストの魅力を、本システムは音楽性高く高品位に表現する。

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