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三菱電機のFA技術や、ビジネスに役立つ各種レポート・コラムをご紹介します。

セミナーレポート
工場の省エネ対策の進め方を解説
「IoT活用によるものづくり革新セミナー」in福山製作所レポート

2016年3月公開【全1回】

三菱電機講演三菱電機名古屋製作所 e-F@ctory推進プロジェクトグループ 主席技師長 吉本康浩

※講演者の所属は2016年2月時点のものです。

ものづくりを革新するFA統合ソリューション “e-F@ctory”

三菱電機名古屋製作所 e-F@ctory推進プロジェクトグループ 主席技師長 吉本康浩

製造業の進化を目指すさまざまな動きがグローバルで進んでいます。欧州のIndustry 4.0、米国のIIC、中国の中国製造2015などです。日本でも、政府系の「ロボット革命イニシアティブ協議会」(RRI)や学会系の「Industrial Value Chain Initiative」(IVI)などがあります。三菱電機はRRIとIVI両方の活動に主査や理事を派遣するなど、積極的に携わっています。

三菱電機はこうしたものづくりの革新を目指す活動に、早くから取り組んできました。それがe-F@ctoryです。FAとITの活用で開発・生産・保守の全般にわたるトータルコスト削減を目指すもので、Industry 4.0などよりかなり以前の2003年からそのコンセプトを提唱してきました。

e-F@ctoryはTCO削減を進めるために、生産現場に対し3つの「みえる」化を実行します。「見える化」する可視化と、「観える化」による分析、「診える化」による改善です。ソリューションを提供するパートナ各社と「e-F@ctory Alliance」を構成し、みえる化を実現しています。

三菱電機名古屋製作所 e-F@ctory推進プロジェクトグループ 主席技師長 吉本康浩

生産量の原単位を基準にエネルギー消費量を低減

e-F@ctoryがどのような効果を生産現場にもたらすのか。三菱電機社内の事例からご紹介します。電磁開閉器を生産する可児工場では、セルによる一連の組立工程にロボットを活用。セルで人が作業を行うことで作業指示に応じた柔軟な生産を可能にしながら、ロボットによる自動化とリアルタイムの生産データ収集・活用で、生産効率向上を果たしています。具体的には生産性で30%、工程数で55%、稼働率で60%、面積比で85%の改善効果を実現しました。特に面積あたりの生産性は、日本のように地価の高い国では有効です。

個体別のデータ管理と次工程への活用により最適な生産を実現しています

名古屋製作所のサーボモータ工場では、e-F@ctoryの導入により生産性や品質の向上をはかるとともに、省エネも進めております。工場の省エネを進めるうえで重要なのは、ラインの稼働状態とエネルギーの一体管理です。

工場の省エネ化は、照明のLED化や空調の適正化などは既に進んでいますが、生産に直結する部分についてはまだあまり進んでいないようです。しかし生産量とエネルギー消費は比例するものであり、省エネのために生産量を減らすというのは本末転倒です。必要なのは生産量の単位あたりのエネルギー消費量、いわゆるエネルギー原単位の低減につとめることであり、そのためには稼働状態とエネルギー消費量を突き合わせる必要があります。そこに生産ラインからリアルタイムでデータを収集するe-F@ctoryが力を発揮しているのです。

サーボモータ工場では、工程ごとのサイクルタイムとエネルギー原単位を管理し、サイクルタイムの平準化による生産性向上と、原単位の最適化による省エネを実現しました。ワークの焼きばめ時に、炉内でのワーク位置を調整しながら、加熱時間を平準化に必要なレベルまで短く、かつエネルギー原単位を最も抑えられるような点を探りました。これにより生産性の12%向上、エネルギー原単位の7%削減を達成しています。

ライン全体の生産性向上と省エネを同時に実現

e-F@ctoryは主に製造や品質の領域で活用されてきましたが、今後は設計領域にも活用範囲を広げていきます。製造段階で集めたデータを品質管理に生かすだけでなく、設計段階にまでさかのぼって上流工程の改善にも生かすものです。例えば製品検査時のデータをもとに設計基準値の過不足を見極め、設計時の寸法公差を見直すことで、品質を維持しながら製造性を高めるようなことが可能になります。

全工程で蓄積したビックデータ(製造要素)を網羅的に分析することにより開発段階から容易に図面寸法・製造規格値の最適化を図る

さらに販売や物流、サービスなどの領域でもe-F@ctoryで収集したデータを生かし、ものづくりのワークフロー全体を最適化することを目指しています。

ソリューション紹介

e-F@ctory

三菱FA統合ソリューション e-F@ctory

e-F@ctoryは、「生産情報の見える化」「エネルギーの見える化」「安全の見える化」の実現による企業のTCO削減、企業価値向上を支援します。

e-F@ctory Alliance

e-F@ctory Alliance

e-F@ctory Allianceとは、弊社FA機器との接続親和性の良いソフトウェア・機器を提供するパートナーとそれらを活用しシステムを構築するシステムインテグ レーションパートナーとの強力な連携により、お客様に最適なソリューションを提供するためのFAパートナープログラムです。

「e-F@ctory」に関する詳細につきましては、お近くの支社・支店へご相談ください。
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