オゾンと脱臭触媒を組合せた脱臭装置です。
オゾン酸化を利用した脱臭処理方法
脱臭に使うオゾン酸化というと皆さんはすぐに反応するというイメージがありませんか?実は意外にも数十分以上時間がかかります。これでは大きな脱臭スペースが必要となります。三菱電機では、この問題を解決するために瞬時にオゾン酸化させる脱臭触媒を独自の技術で開発しました。乾式オゾン脱臭装置はオゾンと脱臭触媒を組み合せた新しい脱臭方式です。更に脱臭触媒はオゾンの自己分解を促進する働きを持っているため、大変長寿命です。吸着を主とした脱臭方式と比べると大幅な交換頻度の低減を実現します。
乾式オゾン脱臭装置の仕組み
酸素を原料として電気的に発生させたオゾンと脱臭触媒との併用により臭気成分を除去します。主要構成機器はミストセパレータ・脱臭ファン・オゾナイザ・脱臭塔で部品点数も少なくシンプルです。脱臭の仕組みは下図のとおりです。
乾式オゾン脱臭装置フロー図
空気を原料として電気的に発生させたオゾンと脱臭触媒との併用により悪臭成分を除去します。
実験装置により、現地での脱臭効果確認が可能
脱臭原理と方式
オゾンと脱臭触媒の組み合わせで優れた脱臭性能を発揮します。
触媒性能
乾式オゾン脱臭装置は大変長寿命で、硫化メチルの脱臭で通常の活性炭の約20倍以上となります。
脱臭原理
脱臭触媒(M)によるオゾン酸化の促進反応
O3+M=O2+「M*」
「M*」+悪臭成分=M+悪臭成分の酸化分解生成物
ここで、Mは脱臭触媒でオゾン酸化触媒としてくり返し使用されます。
脱臭効果
硫黄系・窒素系の悪臭物質をはじめ多種の物質の脱臭に適用可能です。
主要悪臭物質に対する脱臭効果
凡例 ◎:非常に良い ○:良い △:中程度
臭気物質 | 主な臭気成分 | 三菱乾式オゾン脱臭装置による脱臭効果 | 評価 | |
---|---|---|---|---|
オゾン+脱臭触媒 | オゾン+脱臭触媒+ 活性炭(脱硫炭+脱安炭) |
|||
硫黄化合物 | 硫化水素・メチルメルカプタン・硫化メチル | ◎ | ◎ | 臭気成分を酸化分解するため脱臭効果大 |
窒素化合物 | アンモニア・トリメチルアミン | ◎ | ◎ | 臭気成分を酸化分解するため脱臭効果大 |
アルデヒド類 | アセトアルデヒド・ホルムアルデヒド | ○ | ◎ | 臭気成分を酸化分解するが臭気が残るため活性炭吸着と組み合わせると効果大 |
脂肪酸類 | 酪酸 | △ | ○ | 酸化分解が困難なため活性炭吸着と組み合わせると効果大 |
炭化水素 | トルエン・キシレン | △ | ○ | 酸化分解が困難なため活性炭吸着と組み合わせると効果大 |
乾式オゾン脱臭装置の適用分野
下記場所から発生する悪臭ガスの脱臭に適しています。
- 廃水処理施設・下水処理場・中継ポンプ場など
- 工場生産ラインなど
脱臭風量と必要オゾン発生量
脱臭風量計算
脱臭風量は排水処理設備水槽など、臭気源の面積から算出します。
オゾン発生量
脱臭風量に対する必要オゾン発生量は当社にて算出しますのでお問い合わせください。