観葉植物で暮らしにもっと彩りを観葉植物で暮らしにもっと彩りを

観葉植物の魅力は、手軽に暮らしを彩れる上に、簡単に育てられることです。
今回は都内最大級の園芸店、オザキフラワーパークの百瀬謙太郎さんに、
その育て方やおすすめの種類について教えていただきました。
新生活にも慣れてくるこの季節に、お気に入りの観葉植物を手にしてみませんか?

ご自宅で手軽に緑を楽しめる ご自宅で手軽に緑を楽しめる

近年、人々の生活に広く浸透しだした観葉植物。その良さは、花や野菜を育てる場合に比べて手間がかからないこと。卓上サイズの観葉植物であれば少量の土で済むほか、エアープランツなら土すら必要ありません。長期間楽しめることも大きな魅力です。10年以上を生きる植物も珍しくはありません。運気をアップさせたいという方にも人気です。先端が尖ったものは玄関に置いて厄除けに、葉が丸いものはリビングにおいて家庭円満に。さまざまな願いを込めながら暮らしに取り入れられるのも人気の理由です。

観葉植物にとって快適なのは、人が過ごしやすい場所 観葉植物にとって快適なのは、人が過ごしやすい場所

観葉植物は熱帯や亜熱帯の地域を原産とするものがほとんどです。寒さに弱いものが多いため、暖かい場所に置きましょう。温度は20度前後が最適ですが、厳密に管理をしなくても大丈夫。人間にとって快適な温度であれば問題ありません。植物は光合成によって栄養を作り出しているので、明るい場所に置くのもポイントです。直射日光を避けた上で、小さな文字でも楽に読める程度の明るさが目安になります。湿気が多過ぎても弱る原因になるので、風通しのいい場所に置きましょう。

鉢植えを卓上や床に置くのがスタンダードな飾り方ですが、ピクチャーレールにかけるのも近年のトレンドです。ツルが長い観葉植物を引っ掛けると、空間に動きが生まれます。

土選びと水やりが手入れのポイント 土選びと水やりが手入れのポイント

観葉植物が枯れる2大要因といっても過言ではないほど大切なのが、土選びと水やりです。観葉植物には、専用の土を使いましょう。園芸店はもちろんホームセンターや大型のスーパーマーケットでも市販されています。花壇や家庭菜園で使う土には腐葉土や堆肥が含まれており、小バエやカビを寄せ付ける原因になるので室内では用いないこと。飾りとして赤玉土やバークチップ、カラーストーンなどを土の表面に敷いてアレンジするのもおすすめの楽しみ方です。

水をやりすぎにも気をつけましょう。野菜や草花とは異なり、毎日水を与える必要はありません。土の表面が乾いてきた頃が水やりのタイミングです。鉢の下から少し水が染み出すまで水を与えたら、再び土が乾くまでは水やりを控えます。土が乾く期間を設けることで、根腐れを防ぎましょう。

葉で健康状態をチェック 葉で健康状態をチェック

観葉植物の健康状態を手軽にチェックする方法は、葉の色合いやハリを観察すること。購入時は濃い緑色の葉を付けていても数ヵ月~数年経って発色が薄れてきたり、新芽の葉が大きく成長しなくなってきたら、肥料が不足しているかもしれません。肥料には固形と液状、ふたつのタイプがありますが成分は同じです。お好みのものを与えましょう。定期的に葉に霧吹きをかけるのも有効です。葉の表面のホコリが洗い流されて、より色鮮やかになります。

まれに水や肥料を適切に与えているのに突然弱り始めることも。ここで考えられる原因は、根が伸びて鉢のサイズが合わなくなっていること。根詰まりしないように、2年に1度を目安にひと回り大きな鉢に植え替えましょう。サイズアップを止めたい場合は、根を3分の1ほどカットして同じ鉢に植え直す方法もあります。その際には培養土を新しいものに交換し、根を切った分だけ枝葉もカットして全体のバランスを整えましょう。植替えや植え直し、剪定は植物に外科手術を施すようなもの。根や新芽が成長し、再生する暖かな季節に行いましょう。

ビギナーにおすすめの観葉植物3選 ビギナーにおすすめの観葉植物3選

手軽に育てられて、運気アップも望める観葉植物の代表選手を3種類ご紹介します。

ガジュマル

ユニークな形が愛らしいガジュマル。「キジムナー」という妖精が宿ると言われていることや、タコに似た見た目から転じて「多幸の木」の名がついていることから、ご利益を願って置く方も大勢います。樹形のバリエーションはさまざま。お好みのフォルムを選びましょう。

パキラ

パキラ

漢字で「発財樹」と書かれることもあるパキラ。その当て字の通り、金運がアップすると言われています。とても丈夫なのが特徴で、10年以上を生きることも珍しくはありません。葉の先端が尖っていることから邪気を払う力があるとされ、玄関先に飾る植物としても人気です。

ウンベラータ

ウンベラータ

ゴムの木の仲間であるウンベラータ。丸みを帯びたハート型の葉が特徴で、夫婦円満や縁結びをかなえてくれる植物として愛されています。柔らかい緑色の葉には温かみがあり、どんなテイストの部屋に置いても調和するのが魅力です。

観葉植物は、同じ種類であっても個体差があります。室内の環境との相性も、ひとつひとつ異なるものです。大切なのは、一度枯らしてしまったからといって「自分には観葉植物を育てるのは向いていない」と諦めないこと。さまざまな種類の植物を試してみてください。きっとご自宅で過ごす時間がより心地良くなるはずです。

2023.05.11

百瀬謙太郎さん

百瀬謙太郎さん

オザキフラワーパーク

東京・練馬区から日本中に園芸文化を発信する、都内最大級のガーデンセンター。店内では、花苗や観葉植物などあらゆる植物を販売し、さまざまなイベントも開催しています。ジャングルのように植物が生い茂り、「買える植物園」と呼ばれることも。「いろいろな観葉植物を眺めて、お気に入りを見つけてほしい」と語る百瀬さん。オザキフラワーパークでは、植物の選び方や育て方をはじめあらゆる疑問に応えながら、植物の楽しみを提案し続けています。

オザキフラワーパーク

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