IEEEフェロー
Anthony Vetro
映像圧縮分野
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IEEEフェロー
映像圧縮分野
IEEEフェローのご紹介
Anthony Vetro Ph.D.が2011年にIEEEフェロー昇格を認定された「ビデオコーディング技術」は、ビデオ放送、DVDやBlu-Rayディスクなどのパッケージメディア、ビデオ会議、インターネット/モバイルストリーミングで広く使用されています。圧縮されたビデオはインターネットトラフィックの大部分を占めており、これらの圧縮フォーマットを利用するデバイスは数十億台にのぼります。たとえば、デジタルテレビ受信機とディスプレイ、監視およびカメラ監視システム、自動車機器、衛星イメージングシステムなどの製品にも組み込まれています。
また、没入型メディア体験を可能にする3Dビデオ圧縮標準の開発を主導し、顕著な技術的貢献を行いました。現在のストリーミングプラットフォームで広く活用されているビデオトランスコーディングとマルチメディア適応に関する業績でも高く評価されています。
「IEEEフェローの称号は個人的にも大きな名誉です。それとともに、社内においてもIEEEフェロー認定は、技術への長期的なコミットメントと高度な研究開発が行われている証しとして重視されています」とAnthony。
現在、北米の研究開発拠点MERLのPresidentおよびCEOとして、数多くのすぐれた研究者たちを率いるAnthonyは、今後を見据え次のように語ります「MERLの社長就任からこれまで、私は『グローバルにインスパイアし、革新する』という目的を掲げています。そのために、まずはすべての従業員が前向きなビジョンで、イキイキと活躍できる環境、研究とともにそれぞれの自己実現をサポートできる環境をつくりだしたいと考えています。また、技術の急速な変化に対応するためにはオープンイノベーションモデルが必要であるとの信念から、外部パートナーとの連携強化とともに、部門や地域を超えたシームレスなコラボレーションを促進していきます」。
最後に、若手研究者たちへ「良いメンターシップの価値は計り知れないものがあります。目標を掲げるとともに、あなたを支えてくれる信頼できる人を見つけましょう」とメッセージを送ります。
ニューヨーク大学で電気工学の学士、修士、博士号を取得。1996年にMERL入社。マルチメディア信号処理、特にビデオ圧縮に焦点を当てた研究を行いました。彼の研究は、デジタルテレビ受信機やディスプレイ、監視およびカメラモニタリングシステム、自動車機器、衛星画像システムなど、三菱電機の製品に統合された技術の移転と開発に貢献。
トランスコーディングに関する業績でいくつかの賞を受賞。200以上の論文を発表し、MPEGおよびITU-Tのビデオコーディング標準化委員会のメンバーとして積極的に活動し、2011年から2014年まではMPEGの米国代表団の団長、2015年から2018年までISO/IEC JTC 1/SC 29の米国技術諮問グループの議長を務めた。さらに、2011年にIEEEフェローに昇格。さまざまなIEEEの会議、技術委員会、編集委員会などでも活躍しており、現在はIEEE Signal Processing Societyの産業委員会の議長および理事会のメンバーを務める。2023年、MERLのPresident兼CEOに着任し、現在に至る。