Factory Automation

特集論文

“GOT1000シリーズ”の新機能・新製品

2013年4月公開【全4回】
名古屋製作所 兼子貴弘
姫路製作所 川崎嗣雄

第1回 GOT機能強化

1. まえがき

当社は、FA(Factory Automation)現場で“真に”役立つ表示器をめざして、高速応答性の追及、美しく表現力豊かな高品位表示、トラブルシューティング、ダウンタイムの短縮といった作業の効率化、装置の高付加価値化、トータルコスト削減への貢献を目的としたGOT1000シリーズ(以下“GOT”という。)の“GT15モデル”と、スタンドアロンユースとして基本機能を充実させたスタンダードモデルのGT11モデルを2004年7月に発売した。さらに、大量のデータ処理、トラブルシューティング及びダウンタイム短縮のために動画を使用したわかりやすいソリューション、ネットワークインタフェース標準装備等のユーザー要望に応えるため、2008年8月にGT15モデルの後継機種としてGT16モデルを発売した。そして低価格を求めてきた中型サイズで、競合他社の相次ぐ新製品投入、機能アップ等によって相対的に競争力が低下してきた中型モデルの巻き返しを目的として、表示性能を向上させ、データ収集(ロギング)などの高機能を追加したGT14モデルを2011年7月に発売した。
本稿では、ネットワーク接続するパソコンとの連携によって情報の一元管理といったユーザー要望に応えるために追加したGOTの新機能及び新規に市場投入した中型表示器GT14モデルの開発について述べる。

2. GOT機能強化

2.1 GOTソリューション

生産装置の異常発生時に、迅速な原因追及や処置によるダウンタイムの短縮が求められ、生産装置の状態をモニタし、状況を表示する表示器にはトラブルシューティングのための様々な機能が求められている。表1は表示器へのニーズである効率化・見える化に対応した主なGOTの各機能を示したものである。

表1.GOTソリューション

生産装置に組み込まれているGOTが、単に装置の操作や状態確認だけでなく、装置に異常が発生した時、問題となっている場所の特定や原因、対処方法の確認を現場で迅速に対応できるように、これまで多くの機能を開発してきた。
“トラブルシュートソリューション”として、装置異常の原因となっている回路を検索し、問題となっているデバイス値の変更による対処ができる“回路モニタ機能”、遠隔地にあるパソコン上のマニュアル閲覧などの操作ができる“パソコンリモート操作機能”、GOTに行った操作を時系列で保存し、異常発生時に要因特定や分析に便利な“操作ログ機能”等を提供し、生産現場でトラブルシューティングが可能となっている。
“製造管理・連携ソリューション”として、接続機器のデバイス値をGOT送信のタイミングでMESデータベースに直接送信し、蓄積管理する“MESインタフェース機能”、GOTで収集した情報のファイルや材料の配合条件や加工条件等の生産制御データファイルを事務所から読み書き可能な“FTPサーバ機能”を活用できる。
また、近年、海外では各工場を遠隔地から監視・保守を行いたい、中でも生産現場のGOTの画面を見たり、操作をしたいという要望に、“現場監視・連携ソリューション”として、“SoftGOT-GOTリンク機能”を提供している。SoftGOT-GOTリンク機能は、GOTとネットワーク接続したパソコンの“SoftGOT”で、現場GOTと同じ画面を表示し、操作することを実現したものである。SoftGOT用に画面データを作成する必要はなく、対象のGOTから画面データを収集し、SoftGOTの画面データとして利用することで、GOTと同じ画面を表示して、生産装置の監視を実現している。
これら遠隔監視・連携で、FTPサーバ機能では、事務所から生産装置の状況を定期的に監視する必要があったが、生産現場の変化、異常をトリガードリブンで取得したい、SoftGOTがなくても現場装置のGOTを監視・操作したいという要望に応えるため、今回、(1)ファイル転送機能(FTPクライアント)と(2)VNCサーバ機能を追加した。

製品紹介

GOT1000シリーズ

GOT1000シリーズ

現場の声の数だけ応えていくために、全5モデル+ハンディGOTの多彩なラインアップ

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