特集論文
“GOT1000シリーズ”の新機能・新製品
2013年4月公開【全4回】
名古屋製作所 兼子貴弘
姫路製作所 川崎嗣雄
第4回 中型表示器GT14モデルの開発(下)
3.2.2 他社製品との差別化題
シーケンサの国内トップ(注2) メーカーである当社の強みをいかし、当社シーケンサとの親和性を高める機能に対応した。
例えば、FAトランスペアレント機能と呼ばれる、表示器を介して当社シーケンサとパソコンを接続しデバッグする機能や、バックアップ/リストア機能(図5)等である。
バックアップ/リストア機能とは、シーケンサの設定情報(シーケンスプログラム、パラメータ、設定値等)を表示器に装着したSDカードなどに保存(バックアップ)し、必要に応じて保存した設定を機器に戻す(リストア)機能である。これによってシステムのバックアップ/リストアを、パソコンなしで行うことができるため、現場で故障したシーケンサの交換作業を容易に行うことができ、設備トラブル時の復旧を迅速に行うことが可能となった。
また、制御盤内で結露した露がGT14モデルの固定金具を伝って、表示器内部に水が浸入しないよう排水の溝を筐体(きょうたい)に設けるなどの工夫も行い、信頼性の高い製品とした。
(注2)2012年1月現在、JEMA(日本電機工業会)調べ

3.2.3 低価格化への対応
GT14モデルでは従来モデルとは異なる、新たなハードウェア構成を採用した。電子部品の市場動向から、入手性に優れたマイコンやメモリを選定し、さらに、回路構成の簡素化によって部品点数を削減し、低価格化を実現した。
4. むすび
事務所で送受信を管理するFTPサーバ機能とGOTのモニタ情報を基に送受信するFTPクライアント機能、SoftGOTとして動作するSoftGOT-GOTリンク機能とGOTの画面を表示し、拡張機能、オプション機能も操作できるVNCサーバ機能は類似する機能であるが、それぞれ特徴があり、使用用途によってシステムに合った機能を選択することができるようになった。また、中型機で高機能なGT14モデルが加わることによって、ユーザー要望に幅広く対応できるようになった。
今後は、当社が得意とするシーケンサやサーボ、インバータ等のFA機器との連携を強め、当社製品ならではのメリットを前面に打ち出し、市場での地位をより確固たるものとしたい。
参考文献
(1)橋本伸哉:GOT1000シリーズ“GT16モデル”の拡充、三菱電機技報、84、No.3、191~194(2010)
製品紹介

- 要旨 “GOT1000シリーズ”の新機能・新製品
- 第1回 GOT機能強化
- 第2回 GOT1000シリーズ新機能
- 第3回 中型表示器GT14モデルの開発(上)
- 第4回 中型表示器GT14モデルの開発(下)