特集論文
“GOT1000シリーズ”の新機能・新製品
2013年4月公開【全4回】
名古屋製作所 兼子貴弘
姫路製作所 川崎嗣雄
第2回 GOT1000シリーズ新機能
2.2 GOT1000シリーズ新機能
2.2.1 ファイル転送機能(FTPクライアント)
生産現場で異常が発生した場合、GOTが収集する異常解析用(操作ログ、後で述べるロギング)ファイルを取りに現場に行かなくても、FTPサーバ機能を利用してネットワーク接続している事務所のパソコンでファイルを取り出すことが可能であるが、異常発生と同時に情報収集できれば、より早く要因解析に着手が可能となる。
表2に示すように、今回、新たに追加したFTPクライアント機能では、GOTで監視している情報を基に異常解析用ファイルを現場装置側から事務所で管理するファイルサーバへ送信することが可能となり、異常解析用ファイルを基に事務所で生産装置の状況を確認し、要因分析でき、迅速なシステム復旧へつなげることができる(図1)。


2.2.2 VNCサーバ機能
VNCサーバ機能は現場GOTの画面イメージをネットワークを介した遠隔地パソコンに送信し、パソコンのVNCクライアントで画面イメージを表示して、監視・操作することができる機能である。通常VNCはクライアントとサーバのいずれも操作可能であるが、現場の操作と離れた場所からの操作を同時に行うと、生産装置に対して意図しない操作となりかねないため、操作排他機能を組み込んでいる。排他管理は図2に示すようにサーバとなるGOTが管理し、操作権がクライアント側にあるときは、タッチパネル操作を無効にし、クライアントからの操作のみ有効としている。

今回の機能追加で生産現場から離れている場所からGOTの操作が可能となり、半導体やディスプレイ等の精密工業製品を製造しているクリーンルームなど立入りを制限しているところでも、外から生産装置を制御することが可能となる。
また、図3のように、複数の生産システムで各装置のGOTをネットワークでつなぎ、GOTのパソコンリモート操作機能(VNCクライアント)を利用して、1つのGOTから別ラインの生産装置を監視したり、操作したりすることもできる。

製品紹介

- 要旨 “GOT1000シリーズ”の新機能・新製品
- 第1回 GOT機能強化
- 第2回 GOT1000シリーズ新機能
- 第3回 中型表示器GT14モデルの開発(上)
- 第4回 中型表示器GT14モデルの開発(下)