特集論文
センシングユニット “MR-MT2000シリーズ” による
生産現場のTCO削減
2018年3月公開【全3回】
名古屋製作所 鈴木康広 岩丸和文
第3回 製品の特長(下)e-F@ctoryへの活用
3.e-F@ctoryへの活用
e-F@ctory導入の目的の1つであるTCO削減に対する取組みとして、当社のサーボアンプでは、サーボで取得できるデータを活用して、機械の摩擦や振動を推定する機能を開発している。この機能を活用することで、可動部の摩耗や、環境ストレスによる経年劣化等に起因する機械特性の変化を検出し、予防保全を実施できる。
この機能は、サーボアンプ内部で検出した電流値や制御対象の速度などの情報を利用して実現しているが、より精度の高い分析を実施するには、サーボアンプ単体で取得できる情報では不足であり、制御対象に設置したセンサ等の情報から得られる付加情報を利用する必要がある。
センシングユニットを使用することによって、各アプリケーションで使用される多様なセンサ情報を、サーボアンプの内部情報に同期して取得できるため、それらのデータを統合分析することによって、機械診断・予防保全の適用事例の拡大が見込まれる(図7)。

図7.センシングユニットのe-F@ctoryへの活用イメージ
4.むすび
今回開発したセンシングユニット “MR-MT2000シリーズ” の特長及び実現可能な機能について述べた。
センシングユニットを用いることで、装置の高速化・高機能化によるサイクルタイム短縮や、サーボアンプとセンサから得られる情報を用いた精度の高い情報分析による予防保全を実現し、生産現場のTCO削減に貢献できる。
今後は、多様なアプリケーションを顧客に提供するために、センシングユニットの機能充実を図る。
製品紹介
