電力システム製作所 電力ICTセンター

導入事例

CASE

釧路町トリトウシ原野太陽光発電所向け 蓄電池システム

再エネへの新規参入をサポートし、事業性を高める
大容量蓄電池制御システム

名称

釧路町トリトウシ原野太陽光発電所

所在地

北海道釧路郡釧路町字トリトウシ原野(釧路町町有地)

運用期間

2017年4月~(20年間)

発電事業者

株式会社 大林クリーンエナジー

設計・施工

株式会社 大林組

着工

2015年(平成27年)5月

発電開始

2017年(平成29年)4月

株式会社大林組、株式会社GSユアサと協同で北海道釧路町トリトウシ原野太陽光発電所に、出力変動抑制用の大容量蓄電池システムを納入しました。
蓄電池用パワーコンディショナー(10MW)、リチウムイオン電池(6.75MWh)、ならびに再エネ変動緩和制御を行う蓄電池制御システム(BLEnDer® RE)により、北海道電力管内において国産リチウムイオン電池を使用した、初の蓄電池併設型メガソーラー施設となります。2017年4月の運用開始以来、事前検討に基づいた事業採算性を実現し、お客様のビジネスに貢献し続けています。

背景

課題

成果

背景

2012年より再生可能エネルギーの普及を目的として、電力の買取価格を法律で定めた「FIT制度(固定価格買取制度)」が制定され、日本国内における再生可能エネルギー事業が盛り上がりをみせています。その中で、株式会社大林クリーンエナジーは、FIT制度を活用した太陽光発電事業を計画していましたが、事業の実現には北海道電力が定める太陽光発電の系統連系要件を満たさねばならず、そのためには蓄電池システムを導入する必要がありました。
そこで、自社実証や様々な電力会社との実証設備の実績で培った蓄電池制御ロジックにおけるコア技術を保有し、また蓄電池やパワーコンディショナーなどの設備をメーカ問わず、最適なものを選定してシステムインテグレーションすることができることが認められ、三菱電機が本プロジェクトに参画することとなりました。

課題

北海道電力が定める「太陽光の発電出力を1%/分へ変動緩和すること」という系統連系要件を満たす。
事業性の観点から、蓄電池の導入容量を極力抑える。
上記2項目の同時達成が課題となっていました。

そこで、大林組と三菱電機は、蓄電池容量や各種設定パラメータなどを変化させた多くの条件におけるシミュレーションを実施しました。本シミュレーションでは、基準逸脱率(変動緩和率)と太陽光発電の売電量、蓄電池導入量とのバランスをとるため、制御ロジックや設定パラメータの調整、ミリ秒単位で実施される制御性能や機器固有の制御・動作遅れなどの細かい機能検討を繰り返し、1つずつ課題を解決していきました。
また、設置場所面積に加え、北海道(釧路)という土地特有の気候による設備環境の制約もありました。そのため、収納コンテナは寒冷地仕様にするとともに、機器レイアウトや配線ルートを工夫することで施設面積のコンパクト化を実現しました。

成果

2年間の試行錯誤を繰り返した結果、初期設置費用および維持管理費用の抑制、蓄電池制御による売電量の最大化など、FIT事業に影響するライフサイクルコストの抑制を実現しました。また、同時に、太陽光発電の出力変動を緩和することにより、電力系統の接続条件に適合させた結果、運用開始後の安定稼働により、当初想定していた基準逸脱回数ならびに売電ロスの削減を達成しているとの結果を報告をいただいております。
今後も、北海道同エリアへの太陽光ならびに風力発電事業を検討している各事業者様に対して、蓄電池システムの提供と事業化成立に向けた支援を実施していきます。

 

発電所概要

所在地

北海道釧路郡釧路町字トリトウシ原野

敷地面積

約67ha

発電所面積

約54ha

発電事業者

株式会社大林クリーンエナジー

年間発電量

初年度:約19,000,000kWh
一般家庭約5,000世帯分の年間消費電力

蓄電システム

蓄電池制御システム:三菱電機製
蓄電池用パワーコンディショナー(10MW):TMEIC製
リチウムイオン電池(6.75MWh):GSユアサ製