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第18回テーマ「流れ星」

本当は恐ろしい流れ星

ペンネーム・矢車 健太郎さん | 東京都 | 2011年6月29日公開

アンデルセンの童話「マッチ売りの少女」の中に「人が亡くなると流れ星が落ちて、いのちが神様のところへいく」という件がある。夜空に輝いていた星が、突然理由もなく流れて闇夜に呑み込まれていく。流れ星は理不尽な星。誰かが亡くなる知らせだ。――なぜアンデルセンはこうした不吉で悲しい表現をしたのだろうか。

いろいろ考えた末に、ある突拍子もない事柄が脳裏に浮かんだ。――約6550万年前、太古の地球に巨大隕石が衝突した。その場所はメキシコ・ユカタン半島。この隕石の衝突によって、恐竜たちはほぼ全滅したといわれている。多くの生物が死に絶えた。しかし、人類の祖先は運良く生きのびることが出来た。隕石が流れ星となって地上に衝突した時、わたし達の祖先はそれを目の前で目撃したに違いない。空から星が降ってきて、天地が逆転するほどの衝撃があり、命の危険に晒された。死ぬかもしれない恐怖。表現することの出来ない程の恐ろしさ。その時の記憶はDNAにくっきりと刻まれた。子々孫々にまで伝えるのだ。――流れ星を見たら気をつけろ。

時が流れ、生物の進化が順調に行われた。新たに生まれた人類は、予想を超えてはるかにしぶとく生きのびた。知能が発達すると、流れ星の恐怖は徐々に忘れ去られた。しかし実は密かに潜在意識の奥底に刻まれていた。天空を支配する巨大な闇を切り裂きながら流れていく星。これを見ると必ず誰かの生命が消えていく。もしかしたら自分の身が危険に晒されるかもしれない。そうした意識は人々に受け継がれ、アンデルセンの童話にまで登場することになったのではないだろうか。

美しくて切ない自然の現象である流れ星。――約6550万年前の人類の祖先はどんな思いで地球に落ちてくる巨大な流れ星を見上げたのだろうか? こうしたことを考えながら夜空を見上げるのも案外楽しいかもしれない。

DSpace事務局から

童話にもよく登場する流れ星ですが、大き過ぎると隕石になると思うと確かに怖いですね。

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