ここから本文

宇宙システム総合サイト

イベントレポート

気象衛星「ひまわり」・なんでも・調査隊!
〜気象衛星「ひまわり8号」のひみつを探る~ レポート

2014年8月23日(土)、三菱電機東京本社で10月7日に打ち上げ予定の気象衛星「ひまわり8号」についてのイベントが、公益財団法人日本宇宙少年団(YAC)と三菱電機の共催で行われました。参加して下さったのは約50組の親子。天気予報や最新型の気象衛星の話を熱心に聞き、また実験や工作に夢中で取り組みました。当日の様子をレポートします!

天気予報と気象衛星「ひまわり」について、基本から最新情報まで

気象庁の吉田良さんのお話を興味津々で聞く参加者のみなさん。

まずは、気象庁観測部気象衛星課の吉田良さんのお話しです。

気象衛星「ひまわり」は1977年に1号が打ち上げられ、現在活躍しているのは7号。きっかけは1959年に伊勢湾台風で5000人以上の死者・行方不明者が出たことです。高い場所から台風を観測するために富士山頂に富士山レーダ(三菱電機製)を作りましたが、台風が発生する南の海は観測できなかったため気象衛星が使われるようになったそうです。ひまわり8号は観測頻度が3倍になり、30分で3回(7号は30分に1回)地球全体を観測、さらに2分半に1回、日本を観測できるなど、性能が大幅にアップしています。

「ゲリラ豪雨をもたらす積乱雲が急速に発達する様子を観測し、途中で『これは危ない』とわかることが期待されます」とのこと。また衛星などが観測した気象データをスーパーコンピューターに入力し、得られた情報を元に、実際の天気と照らし合わせて予報官が天気予報を作ることにも子供達は興味をもって聞き入りました。

続いて実際にひまわり8号を作る三菱電機の磯部昌徳プロジェクトマネージャーから、衛星作りのお話しです。「現在活躍中のひまわり7号は2015年7月に寿命がやってきます。8号は非常に高性能な観測センサを世界に先駆けて搭載することが特長です」と説明。そのセンサは可視赤外放射系(AHI)で重さ350kg。人の身長ほどある巨大なセンサです。

宇宙は真空で温度変化も激しく、放射線が飛び交います。またロケット発射時は激しい振動や衝撃があります。それら苛酷な環境に耐えて15年間、故障なく人工衛星が働くように、徹底的に試験を行ったそう。たとえば熱真空試験。巨大な真空チェンバーにセンサを入れて空気を抜き、宇宙と同じ温度変化で約40日間試験。また振動試験やジェットエンジン100機分の大音響に耐えられるかを見る音響試験などの話に参加者は驚いていました。

ひまわり8号は10月7日に打ち上げ予定。打ち上げ後も様々な試験を行い2015年の夏頃には実際の天気予報に使われ出す予定です。

クイズと実験・工作で天気予報を身近に楽しく!

天気予報や気象衛星の話を真剣に聞いたら、次は体験コーナー。気象庁広報室調査官の牛田信吾さんによる基本だけど意外に知らない「お天気○×クイズ」や、YAC兄さんズによる台風の立体模型作りなどの実験・工作に大人も子どもも熱中しました。

  • 気象庁の牛田信吾さんによる「お天気○×クイズ」。全問正解すると人工衛星の模型がもらえるとあって、みんな真剣!

  • 雨の強さを色分けしたブロックを組み立てると、台風の立体構造がわかる。親子で共同作業。

  • ペットボトルで雲を作る実験。お湯と線香の煙をペットボトルに入れ、ペットボトルをおしてぱっと手を離すと、雲が!

的川博士のお話 「地球の青い色を守るのは私たち」

「宇宙は遠くにあるのではなく、私たちの生活は宇宙と地球を貫いているんですよ」と語りかける的川博士。

そして、イベントの最後に、JAXA名誉教授の的川泰宣博士から「地球とともに生きる─この国とこの星と私たち」と題したスケールの大きな話がありました。

「宇宙へ挑戦する仲間には、例えば若田光一宇宙飛行士のように『宇宙に行きたい』という冒険心、また天文学者らの宇宙の始まりなどを『知りたい』という好奇心、そして実際に宇宙を開拓するロケットなどを『創りたい』という匠の心の3つがあります。同じ目標をしっかり共有し、根底に『人の役に立ちたい』という心が根付いているときに夢を実現できるのです」と様々な例をあげてやさしく語りかけました。

また、惑星探査機が数十万キロ彼方から撮影した小さく青い地球の画像を見せながら「この青い点が核戦争が起きたりしたら灰色に変わります。青い色を守り続けるのは私たち自身の仕事です」とアメリカの天文学者の言葉を引用しつつ、子供達に大きな視点とメッセージを送りました。

イベントを終えて

イベント後、講師の先生に質問をする参加者たち。左が気象庁の吉田良さん、右が三菱電機の磯部昌徳プロジェクトマネージャー。

盛り沢山のイベントが終わっても参加した子供達は講師の先生方に質問をしていました。その一人の中学生の男の子は、「種子島でロケット打ち上げを見て将来エンジニアになりたいと思った。的川先生のお話で好奇心が宇宙プロジェクトの成功につながるというお話しが面白かった」、また小学生の女の子は、ちょうど塾で習ったばかりの気象の話で役に立ったとのこと「模型作りが楽しかった」と大満足の様子でした。

磯部プロジェクトマネージャーは「ひまわり8号は世界に先駆けて次世代型センサを搭載するので全世界が注目しています。かなり進化したセンサで機能が複雑であり、しかも国民生活に密着した衛星なので失敗は許されない。苦労は多かったが地上でやれるだけのことはやりました」と言い、今後の打ち上げや観測に向けて注目してほしいと話しました。

気象衛星「ひまわり」・なんでも・調査隊!~気象衛星「ひまわり8号」のひみつを探る~

日 時 : 平成26年8月23日(土)13:00~16:15
会 場 : 三菱電機本社 4階 会議室
共 催 : 公益財団法人日本宇宙少年団、三菱電機株式会社
後 援 : 気象庁、気象友の会

ページトップへ戻る