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CLUB DIATONE

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製品徹底レビュー
Product Review

DIATONE SOUND.NAVI
NR-MZ300PREMI

オーディオ評論家土方久明による
徹底試聴!!

試聴会の総論

ダイヤトーンの最新鋭センターユニット「NR-MZ300PREMI」を中心に、クラシック、ジャズ、ボーカル、アニソン等々まで多くのジャンルの楽曲を試聴した。
結論として「NR-MZ300PREMI」の再生音は、期待を大きく上回るものだった。筆者が感じた本機のアドバンテージは大きく4点ある。
まず1点目は、ライン出力、スピーカー出力、両者とも情報量が多いこと。2点目は聴感上のS/N比が高くノイズフロアが低い、つまり小レベルの音がスポイルされず、サウンドステージの表現に長けていること。3点目は内蔵アンプの音が良かったこと。4点目は、音色にクセが少なく音源が持つ音色や音調をアキュレイト(正確)に表現できていたことだ。
この特長は、筆者が出向くコンテストでエントラントの車を聴いていた時とある程度共通しており(もちろんインストーラーの個性が反映されるが)、今回の取材でも改めて実感した次第だ。

試聴環境

トニー・ベネット&ダイアナ・クラール
「ス・ワンダフル」

男性ジャズボーカルの大御所トニー・ベネットと、女性ジャズボーカルで大人気のダイアナ・クラールによる夢のデュエットアルバム。
しかもフィーチャーする楽曲は昨年に生誕120周年を迎えたアメリカ音楽界の父ジョージ・ガーシュウィンだから、注目しない理由は見当たらない。Jazzボーカルのタイトルはコンテストでも使用されるケースが多い。
僕個人が考えるその理由は、アコースティック楽器とボーカルの質感表現と楽曲全体の情報量を確認することで、システムのハードウェアの性能がわかりやすい。そして、音像定位や各楽器の配置の表現で、タイムアライメントをはじめとするDSP周りの調整の仕上がりが確認できるからだ。
今回の場合、車載用スピーカー「DS-SA1000」は特製のエンクロージャーにインストールされているので、DSP調整は確認する術はないが、センターユニット「NR-MZ300PREMI」からスピーカーまでのクォリティは十分に確認できる。
そこで、トラック1「ス・ワンダフル」を通して再生品質をチェックした。冒頭のピアノの音がとても立体的で、余韻など小レベルの音がスポイルされず明瞭に聴こえる。最初に歌い出すトニー・ベネットの声は前に張り出すような強い実体感があり、ダイアナ・クラールの少ししゃがれた声も明快にスピーカー眼前に現れる。
2人の声が重なるパートでは明瞭に声が分離して解像度の高さを確認できる。また、ジャズ再生で必須のスモーキーな感じがしっかりと伝わってくるのは好印象。
つまり、センターユニットからライン出力される音が原音に対してアキュレイトな音色/音調を備えているのである。コンテストユーザーにとってここは何よりも大切な部分だろう。
また、この楽曲はあえてベースが柔らかく録音されていると推測されるのだが、そのふくよかなベース表現が秀逸に再現できているところも気に入った。
このシステムが、ソース音源に忠実な質感表現を行うことを改めて実感した。

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