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渡辺由里子(ドイツ)
渡辺由里子
Yuriko Watanabe
Mitsubishi Electric Europe B.V. German Branch (MEU-GER)
2008
入社 本社 半導体・デバイス第二事業部 高周波光デバイス営業第一部 配属
2021
現職

2022.06.24

海外で働いて、海外で暮らすこと

みなさんこんにちは。渡辺です。
今までの海外営業の経験とドイツでの暮らしを通して感じたことを今回書きたいと思います。

みなさんのなかには海外で暮らしたことがある方もいれば、暮らしたことはないけれど興味がある方や、海外に大きな興味はない方もいると思いますし、人それぞれだと思います。
私自身は入社したとき担当地域へのこだわりはなく、国内でも海外でもどちらでもいいという考えでしたが、英語が全然話せなかったので海外は大変そうだなと漠然と思っていました。それが入社数年後から海外顧客を担当するようになり、気づけば毎月のように海外出張に行く生活になっていました。担当しはじめた当初は外国の方と話すだけで緊張していましたが、語学のハードルが少しずつ低くなり、段々と自分を出せるようになっていき、より深く海外と接していくなかで、今まで知らなかったモノの見方や考え方、仕事への姿勢や人間関係の作り方があることを、身をもって感じるようになりました。
これまで日本、中国、米国のお客様を担当してきましたが、それぞれに異なる文化的背景、商習慣や価値観があり、今回ドイツで暮らしてみてそれを改めて感じています。違っている部分でおもしろいなと思うこともあれば、違和感を覚えることもあります。とはいえ仕事においてはみんなの目的は同じです。国が異なっても仕事の本質的な部分は同じで、協力して最適解を模索しながら、結果を出すためにお互いベストを尽くします。そのときに、日本人同士だと暗黙の了解で通じることや導き出しがちな答えが、果たして海外ビジネスでもベストなのかというと、そうではないこともあります。そうした経験から、柔軟な考え方とチャレンジする気持ちの大切さを痛感しています。また、歴史的/地理的にいろいろな国の人と接する機会が多いドイツや欧州の方と、海外に住んだことがなく外国人と接する機会がほとんどなかった私とでは経験値と感覚の違いを感じるときもありますが、自分の考えに囚われすぎずに相手の懐に思い切って飛び込んでみることで気持ちが通じることもあるというのは、ドイツで得た大きな経験でした。そうした経験から、私は自分の意見を持ちつつもフラットな気持ちで会話に臨み、相手の背景や思考を尊重し理解しながら議論を進めていくこと、どういう接し方や言い方がこの場合適しているのか考えて行動することを心掛け、よりグローバルな人材になっていきたいという思いでドイツでの日々を過ごしています。
一方で日本企業の社員として、ナショナルスタッフのみなさんに日本側の考え方やその判断に至った背景、習慣への理解を深めてもらうことも大切なことだと思っています。日本とドイツの間は距離も時差もあり、ここ数年は人の行き来がなくなったことで直接のコミュニケーションが取れない状態にありました。この先、アフターコロナにおける世界の働き方がどのようになっていくのかまだわかりませんが、海外で働く日本人として、様々な要因から生じる日本との間にある目に見えないギャップを可視化させて伝えることの重要性が増しているのを感じています。新しい視点や価値観を取り入れながら周りの人々に日本について伝えていくことで、日本との距離を縮め、より働きやすい環境づくり、より強いチーム作りに繋げていくことも、日本からドイツにきてMEU-GERで働くうえでの私のミッションのひとつです。

ドイツの名城ホーエンツォレルン城

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少しかたい話になりましたが、海外で働いて暮らす毎日のなかで新しい知識や視野を得ることはとても刺激的で、自分の世界が広がっていくような感覚があります。これは日本にいたときには得難いものだと感じています。このドイツで得た貴重な経験と感覚を活かして、これからも三菱電機の一員として働いていきたいと思っています。
そしてもちろん、生活様式も食文化も日本とは違うドイツでの暮らしや、ヨーロッパのおとぎの世界のようにかわいらしい中世の町並み、雄大な自然、荘厳で美しい建造物、紀元前から連綿と続く長い歴史、最新のエンタメやカルチャーに触れながらの生活は、「楽しい」の一言です。同僚にヨーロッパ各国のおすすめの場所や美味しいものを教えてもらって実際に足を運んでみたり、教科書で見た絵や遺跡を自分の目で見てみたりと、興味が尽きない日々を過ごしています。

最後になりますが、私にとって海外で働いて暮らすことで広がる世界の楽しさはとても味わいぶかく、そこで出会った人々との繋がりは豊かな時間となっています。みなさんにもし海外に挑戦してみたい気持ちがあるのであれば、また機会があるのであれば、一度しかない人生なので思い切って飛び込んでみてほしいと思います。
これまで4回に亘ってドイツでの日々で見たこと感じたことを書いてきましたが、ここまで読んでいただきどうもありがとうございました。みなさまの社会人生活が実りあるものになることを祈っております。

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