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CLUB DIATONE

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製品徹底レビュー
Product Review

DIATONE SOUND.NAVI
NR-MZ300PREMI

オーディオ評論家土方久明による
徹底試聴!!

試聴会の総論

ダイヤトーンの最新鋭センターユニット「NR-MZ300PREMI」を中心に、クラシック、ジャズ、ボーカル、アニソン等々まで多くのジャンルの楽曲を試聴した。
結論として「NR-MZ300PREMI」の再生音は、期待を大きく上回るものだった。筆者が感じた本機のアドバンテージは大きく4点ある。
まず1点目は、ライン出力、スピーカー出力、両者とも情報量が多いこと。2点目は聴感上のS/N比が高くノイズフロアが低い、つまり小レベルの音がスポイルされず、サウンドステージの表現に長けていること。3点目は内蔵アンプの音が良かったこと。4点目は、音色にクセが少なく音源が持つ音色や音調をアキュレイト(正確)に表現できていたことだ。
この特長は、筆者が出向くコンテストでエントラントの車を聴いていた時とある程度共通しており(もちろんインストーラーの個性が反映されるが)、今回の取材でも改めて実感した次第だ。

試聴環境

キャンディス・スプリングス
「ピース・オブ・ミー」

2016年に没したプリンスが「雪をも溶かすほどの暖かな歌声」と生前最後に認めた歌姫が、アメリカ・ナッシュヴィル出身のシンガー・ソングライター、キャンディス・スプリングスだ。現在は名門ブルーノートレーベルに所属している女性ボーカルの最重要人物。
2016年にリリースされたデビューアルバム「ソウル・アイズ」がBillboard JAPANのジャズ・アルバム・セールス・チャートで1位になるなど、新人らしからぬ功績でも知られる。今回試聴するのは、昨年9月に発売されたセカンドアルバム「インディゴ」。聴いた誰をも虜にする透明感あるボーカルを、「NR-MZ300PREMI」と「DS-G300」のペアはどのように表現してくれるのだろうか。
女性ボーカルを良い音かつ気持ちよく聴くには、センターユニットのオーディオ回路とアンプに高いS/N比が要求される。なぜなら、高域成分が多い女性ボーカルは、聴感上ノイズフロアの影響を受けやすく、それが聴き手の印象を大きく左右するからだ。
しかし、「NR-MZ300PREMI」はまさにそのS/N比の高さが大きなアドバンテージ。スピーカー周りの空間に、可憐な歌姫のボーカルを浮き立たせた!バックミュージックとボーカルの描き分け方も秀逸で、聴き手に猛烈に訴えかけてくる音楽性の高さに聴き惚れる。ヌケのよいボーカルを、血の通ったような生き生きとした表現で聴かせてくれる。
「DS-G300」の再生能力も高く、固有共振を持たず音のつながりが良いことによるものだ。また、ボリュームを大きくしても伴奏するベースの解像度が崩れないことも気に入った。センターユニットの電源部周りの能力も高そうだ。
最近は、世界的な傾向として、美しい声質を持つアーティストが特に人気だが、本試聴ではそんな美しいボイスの魅力を十分堪能させてもらった。

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