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三菱受配電設備三菱受配電設備

劣化診断・余寿命推定

有機絶縁物の放電開始時期の推定が可能です。

受配電設備の有機絶縁物に付着しているイオン量等を測定して、品質工学手法であるMT(Mahalanobis Taguchi)法を用いて有機絶縁物の放電開始時期を定量的(デジタル)に推定します。この技術は測定時の周囲環境(湿度)の影響を全く受けません。
設備の状態を把握することで事故を未然に防ぎ、安全で効率的な更新計画立案が容易になります。

  • 2007年 特許取得 ≪特許番号:特許第4121430号≫

  • 2008年 澁澤賞※1 受賞

  • 2011年 第60回電機工業技術功績者表彰※2ものづくり部門 優秀賞 受賞

  • ※1 澁澤賞は日本の電気保安行政の基礎を築いた故澁澤元治博士の功績を記念して制定され、(社)日本電気協会から電気保安に優れた業績を上げた個人・グループに贈られる賞です。
  • ※2 重電機器・白物家電機器の両分野で新製品・新技術などの優れた成果を挙げた功績者を表彰するもの(主催JEMA)であり表彰対象は当社の受配電システム製作所の技術者が受賞しました。

有機絶縁物とは

  • 絶縁物とは電流を流さない物質であり、導体を支持しつつ他の部位とを電気的に絶縁することで、電気事故を防止します。有機物(樹脂など)で構成されたものが有機絶縁物、無機物(磁器など)で構成されたものが無機絶縁物です。
    特に有機絶縁物は成形性が良くコンパクト化が図れるため、受配電設備内部に多用されています。
    しかし、簡単には単品交換ができず、非修理系部品に属す箇所が多々あります。

有機絶縁物の劣化に起因した事故

  • 有機絶縁物が劣化すると絶縁性能が低下し、絶縁物表面上から部分放電が発生します。この部分放電により劣化促進成分の生成や絶縁物表面の炭化が引き起こされ、更に劣化(絶縁性能の低下)が加速します。
    絶縁性能を喪失すると地絡や短絡事故が発生し、場合によっては火災事故や工場の全停電に至ります。
    非修理系部品かつ大きな事故の原因となる有機絶縁物の寿命は、受配電設備の寿命の一つと考えられます。
  • 有機絶縁物の劣化による母線の短絡事故写真

  • 同 真空遮断器の短絡事故写真

有機絶縁物の健全性確認における難点

  • 有機絶縁物の劣化診断手法として、従来から「絶縁抵抗(メガー)測定」や「部分放電測定」などの電気的手法による測定技術があります。しかし、有機絶縁物の絶縁性能は、湿度に強く依存する特性があるため、従来の測定技術では測定時の天候によって結果が大きく変動してしまい、真値を見極めることは非常に困難です。加えて、従来診断では健全性の確認のみであり、いつまで使用が可能かまではわかりません。

MT法による絶縁物の劣化診断・余寿命推定技術

  • 三菱電機が保有する有機絶縁物の劣化診断・余寿命推定技術は、化学的データと品質工学手法を用いるため、以下の特徴とメリットがあります。
  特徴 メリット
余寿命の算出が可能

余寿命を基にした更新計画立案により、設備のライフサイクルコストと事故リスクの低減が可能。

測定時の環境に影響されない

測定の時期や時間帯によらず、有機絶縁物の劣化度合いと表面抵抗率の真値を見極めることが可能。

絶縁物の種類・形状ごとに分析

部位ごとのリスクを把握することで、部分更新や全体更新などの対策規模について判断が可能。

余寿命推定の流れ

劣化判定センサによる絶縁物の劣化診断・余寿命推定技術

  • MT法による劣化診断実績のデータベースを基に、センサを用いた劣化診断が可能になりました。
    劣化判定センサをスイッチギヤ内に設置し盤内雰囲気を6ヶ月間測定することで、「停電不要」・「専門技術者による測定作業不要」で従来診断と同様の余寿命診断が実施可能です。
    お客様の設備やニーズに応じて、MT法による劣化診断か劣化判定センサによる劣化診断かを選択することで、より効率的な劣化診断が可能です。

診断対象の製品、機器

    • 特別高圧スイッチギヤ

    (66、77kVは当社製のみ)

    • 高圧スイッチギヤ

    • バスダクト

    • 低圧スイッチギヤ

    • コントロールセンタ

    • 高圧遮断器

    • 低圧遮断器

※写真は各診断対象における絶縁物の一例です。

対象物

  • 対象材料:エポキシ,フェノール,不飽和ポリエステルの有機絶縁物。ゴムや磁器製絶縁物は対象外。
  • 対象設備:公称電圧440V〜77kV(交流回路)が印加される気中絶縁スイッチギヤ。屋内外問わず。他社製スイッチギヤも診断可能。ただし、66,77kVは当社製のみ対象。
  • 診断時期:納入から20年以上経過した設備。

診断上の注意事項

【共通】

  • 余寿命は短絡ではなく放電発生までの時間をみております。
    また、数値は絶対値ではなく推定値であり、保証するものではありません。
  • 本技術は絶縁物の表面抵抗率を診断する技術です。
  • 絶縁物以外にも劣化する機器類がありますので、本結果を踏まえた上で総合的に更新などの計画をお考え下さい。

【MT法による絶縁物の劣化診断・余寿命推定技術】

  • 最も絶縁抵抗が低下する湿度100%及び任意湿度での余寿命を推定します。
  • 現地測定では停電が必要となります。停電・接地作業や復旧作業はお客様に手配していただく必要があります。
  • 測定箇所のカバー類の取外しや遮断器を筐体の外まで引き出す作業もお客様にて実施していただく必要があります。

【劣化判定センサによる絶縁物の劣化診断・余寿命推定技術】

  • 最も絶縁抵抗が低下する湿度100%での余寿命を推定します。
  • 劣化判定センサは1台で対象盤1面を包括的に診断します。
  • 劣化判定センサの設備内への取付けは、お客様にて実施していただく必要があります。