次世代コミュニケーションサービス「AnyCOMPASS」/ クラウド版電子薬歴サービス

株式会社コスモファーマ 様

2026年6月

「AIアシスタント機能」の活用により
薬歴作成時間を最大5分の1に短縮
薬剤師が“患者と寄り添う時間”を確保

目次

コスモ調剤薬局 北沢又店における服薬指導 コスモ調剤薬局 北沢又店における服薬指導

コスモ調剤薬局 北沢又店における服薬指導

全国に調剤薬局191店舗を展開するコスモファーマグループは、従来より三菱電機デジタルイノベーション株式会社の調剤薬局システムを導入・活用してきました。近年、在宅医療や介護施設対応の拡大、薬剤師の働き方改革への対応を背景に、同社はシステムのクラウド化を推進しています。その中核として導入したのが、AIアシスタント機能を搭載した三菱電機デジタルイノベーションのクラウド版電子薬歴サービスです。AIアシスタントが薬歴文案を自動生成することで、薬歴作成時間が最大5分の1に短縮。さらに、服薬指導の質向上と業務負荷軽減を同時に実現しています。

在宅・施設対応の拡大に向けクラウド薬歴への移行を決断

1989年に福島県郡山市で調剤薬局としてスタートしたコスモファーマグループは、既存事業の成長に加え、M&Aも活用しながら事業を拡大。2026年4月時点で、調剤薬局191店舗、介護施設30拠点を展開し、約1,400名の従業員が地域医療と福祉を支えています。

こうした事業拡大の中で顕在化したのが、薬剤師の業務負荷の増大でした。人事および新店舗立ち上げを担う人事グループ リーダーの吉田亮平氏は次のように課題を語ります。

「1日の業務時間のうち、90分から120分程度を薬歴作成に費やしていました。対物業務に追われ、患者さまと向き合う時間が十分に確保できないこともありました」

従来のオンプレミス型薬歴システムに大きな不満はなかったものの、今後の医療提供体制を見据えると限界も見え始めていました。特に在宅医療や介護施設での対応では、場所に依存せず患者情報へアクセスできる環境が不可欠です。

「クラウド化によって店舗外でも情報を確認できるようになり、これまでできなかったことが対応できるようになると期待しました」(吉田氏)

さらに、同社に根付く「まず試してみる」という文化も導入を後押ししました。

「当グループでは、10回試して1回採用されればよいというチャレンジ精神が根付いています。現場の反応を見ながら段階的に導入できる点も評価しました」(吉田氏)

スモールスタートで導入を開始し、現場の反応を見ながら順次展開。現在も複数店舗で導入が進んでいます。

吉田 亮平氏

株式会社コスモファーマ
人事グループ リーダー
吉田 亮平氏

谷島 知華氏

株式会社コスモファーマ
コスモ調剤薬局 北沢又店
管理薬剤師
谷島 知華氏

星 公香氏

株式会社コスモファーマ
コスモ調剤薬局 北沢又店
薬剤師
星 公香氏

AI活用の実用化に向け現場に合った仕組みを評価

同社がAI活用に着目したのは4~5年前にさかのぼります。当初は音声認識の対応精度に課題があり、実用化には至りませんでした。

転機となったのはChatGPTに代表される生成AIの進化です。

「初期のトライアルでは専門用語や方言への対応に課題がありましたが、技術の進化によって現場で使えるレベルに到達したと実感しました」(吉田氏)

そうした中、日本薬剤師会学術大会に参加した際に注目したのが、AIアシスタント機能を搭載した三菱電機デジタルイノベーションのクラウド版電子薬歴サービスでした。大会終了後、さっそく検証を開始し、現場のフィードバックを重ねながら導入を進めました。現在では、テレビ音声などの環境ノイズも自動的に除去され、患者の長い会話も要点を整理して出力できるようになっています。

特に、評価したのは、単なる音声のテキスト化ではない点にあります。三菱電機デジタルイノベーションと東京大学発のスタートアップmediLab株式会社が共同開発した、薬剤師の思考モデルに基づくAIの仕組みが決め手になりました。本機能は処方内容を事前に分析し、想定される服薬指導の流れを予測。そのうえで、実際の患者との会話内容と照合しながら薬歴文案を生成します。

「従来のシステムは“記録する”ものでしたが、この機能は“考えるプロセスを支援する”ものです。薬剤師の思考に沿っている点が大きな違いでした」(吉田氏)

さらに、薬歴作成からレセコン連携までを一体で完結できる点も評価されました。個別最適ではなく、業務全体の効率化につながる点が同社の方針とも一致しています。

システム導入前と導入後

システム導入前と導入後

業務効率化と品質向上を両立
患者と向き合う時間を創出

AIアシスタント機能の導入効果は、まず薬歴作成時間の短縮として表れました。従来3~5分かかっていた薬歴作成作業が1~2分に短縮され、服薬指導後の入力作業が大幅に削減されています。

音声記録とAIによる文案生成により、「記憶をたどって入力する」プロセスが不要になったことが大きな要因です。さらに、変化は効率面だけにとどまりません。薬歴の質にも向上が見られました。コスモ調剤薬局 北沢又店 管理薬剤師 谷島知華氏は次のように効果を語ります。

「今までは、患者さまとの雑談は薬歴作成には不要だと考えていましたが、会話の中に重要な情報が含まれていることに気づきました」

何気ない会話や患者の背景情報が蓄積され、次回の服薬指導に活用されるようになったことで、より継続的で質の高い医療提供が可能になっています。

また、残業時間の短縮効果も顕著です。従来、新店舗の開局時には初月に20~30時間の残業が発生することもありましたが、導入後は残業を大幅に抑え、円滑に開局できるようになりました。

加えて、人材育成の面での効果も見逃せません。AIが生成する薬歴文案は“お手本”となり、日常業務の中で自然にスキル向上が図られています。薬剤師の星公香氏はAIアシスタント機能が生成する文章について次のように評価します。

「AIアシスタント機能を使うことで、書き方を学びながら業務ができる点は非常に大きいと感じています」

最も大きな変化は、薬剤師の働き方そのものにありました。

「患者さまの目を見てしっかりと服薬指導ができるようになりました。モニターではなく、患者さまと向き合って対応できるようになりました。この変化は数値化しにくいものですが、患者さまの満足度向上につながっていると感じています」(吉田氏)

記録作業から解放されたことで、本来あるべき対人業務に集中できる環境が整いました。さらに、吉田氏は「薬歴作成時間の短縮によって、薬剤師の業務負荷は軽減できました。また、より柔軟な働き方に対応できる体制を整えることもできました。これは地方で働く薬剤師により長く働いていただくことにつながるほか、新たに働いていただく薬剤師へのアピールにもなります」と、その効果を語ります。

AIと制度の進化を見据え医療提供の新たな形へ

今後、コスモファーマグループはさらなる業務変革を見据えています。目指すのは、受付から会計までの一気通貫の効率化です。

「処方箋入力や確認作業にもAIを活用できれば、業務全体の生産性はさらに向上すると考えています」(吉田氏)

また、将来的にはオンラインを活用した新しい働き方の実現も視野に入れています。育児や介護などで時間制約のある薬剤師が、場所に縛られず医療提供に関われる仕組みです。

一方、現行制度には課題も残されています。薬剤師は原則として薬局に常駐する必要があり、柔軟な働き方の実現には制度面の整備が不可欠です。

「地域医療を持続させるためにも、新しい仕組みが必要だと考えています。制度が変わった時に迅速に対応できるようにしておきたいと思います」(吉田氏)

こうした未来に向けて、同社は三菱電機デジタルイノベーションとの連携をさらに強化していく方針です。

コスモファーマグループは、企業理念「よろこばれて、よろこぶ。」のもと、安心と信頼を創造し、地域社会に貢献していきます。


導入サービス・製品

三菱電機デジタルイノベーション株式会社 次世代コミュニケーションサービス「AnyCOMPASS」

三菱電機デジタルイノベーション株式会社は、「AIエージェントが生みだす新たな薬局体験」をコンセプトとし、レセプトコンピュータと電子薬歴2を融合した「保険薬局向けオールインワンプラットフォーム」の開発に着手しました。

AIエージェント(自律的に最適な手段を選択し必要な作業を遂行する技術)分野については、株式会社mediLabからの技術協力を得ることで開発の加速を図り、2026年度中のサービス提供開始を目指しています。


株式会社コスモファーマ

福島県郡山市桑野三丁目12番2号