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GX(グリーントランスフォーメーション)とは?
〜基本情報や求められる対応などを解説〜
目次
近年、気候変動による異常気象の増加や環境問題の深刻化により、企業の環境対策はもはや避けては通れない課題となっています。そこで注目されているのが「GX(グリーントランスフォーメーション)」です。環境保護になるだけでなく、多くのビジネスチャンスも秘めているGXですが、取り組むにあたって意味や意義を正しく理解することが重要です。本記事では、GXの基本的な概念や注目される背景をはじめ、企業に求められる対応やデジタル技術を活用した取り組み事例まで詳しく解説します。自社のGX推進に向けた第一歩として、ぜひご一読ください。
GXとは?
はじめに、GXの概念や基本方針、混同されやすい「カーボンニュートラル」「脱炭素」との違いについてみていきましょう。
● GXの概念
GXとは、Green Transformation(グリーントランスフォーメーション)の略称で、化石燃料中心の現在の経済・産業構造を、太陽光や風力などのクリーンエネルギー中心の構造へと転換すること、またその取り組みを指します。
これまで環境保護と経済活動は、一方を優先すると他方が犠牲になるトレードオフの関係と捉えられてきました。しかし、GXでは環境対策を単なるコストとしてではなく、新たな成長の機会として捉え、環境保護と経済成長の両立を目指しています。
● GXの基本方針
日本では、2050年までに温室効果ガスの排出量を全体としてゼロとする「カーボンニュートラル」や、脱炭素社会の実現を目標としています。これを達成するため、2023年2月には今後10年を見据えたロードマップとして「GX実現に向けた基本方針」が閣議決定されました。
「GX実現に向けた基本方針」では、主に以下2点の取り組みを進めるとされています。
| 1.エネルギー安定供給の確保を大前提としたGXの取り組み |
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|---|---|
2.「成長志向型カーボンプライシング構想」等の実現・実行 |
|
※カーボンプライシング:企業などが排出するCO2 (二酸化炭素)に価格を設定し、排出量に応じた金銭的な負担を課す仕組みのこと
参考:「「GX実現に向けた基本方針」が閣議決定されました」2025年3月 経済産業省ウェブサイト(https://www.meti.go.jp/press/2022/02/20230210002/20230210002.html)
● カーボンニュートラルとの違い
日本では、2050年までに温室効果ガスの排出量を全体としてゼロとする「カーボンニュートラル」や、脱炭素社会の実現を目標としていると述べましたが、GXとカーボンニュートラルは異なる概念です。
カーボンニュートラルとは、温室効果ガスを吸収・除去して「排出量を差し引きゼロ」にした状態のこと。温室効果ガスの排出量をゼロにすることは難しいため、排出した分を森林による吸収などで除去することで、実質的なゼロを目指します。
つまりGXが温室効果ガスの排出削減と経済成長の両立を目指す社会全体の変革を指すのに対し、カーボンニュートラルは、GXにより到達を目指す「状態」と表現できます。
ちなみにカーボンニュートラルと似たような意味を持つ言葉として「脱炭素」が挙げられます。一般的にカーボンニュートラルとほぼ同じ意味で使用されることが多いものの、明確な定義があるわけではありません。
GXが注目されている背景
GXが注目されている背景には、世界的な環境課題の深刻化やESG投資市場の拡大、各国政府による政策的な後押しがあります。
これらについて、詳しく解説していきます。
● 世界的な環境課題の深刻化
GXが注目されている背景としてまず挙げられるのが、世界的な気候変動の深刻化です。2024年の世界の平均気温は、記録が残る1850年以降最も暑い一年となり、異常気象の頻発や自然災害の増加など、その影響は私たちの生活にも直接的な影響を及ぼすようになってきました。
このような状況のなか、気候変動問題に関する国際的な枠組みであるパリ協定では、世界共通の長期目標として「世界的な平均気温上昇を工業化以前に比べて2℃より十分低く保つとともに、1.5℃に抑える努力を追求すること」が定められました。日本においても、2021年に目標を引き上げ、2030年度までに温室効果ガスを2013年度比で46%削減し、さらに50%の高みに向けて挑戦を続けることを表明しています。
このように、環境課題は一国だけの問題ではなく、国際社会全体で取り組むべき喫緊の課題となっているのです。
● ESG投資市場の拡大
ESG投資市場の拡大も、GXの注目度を高めている要因です。
ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の3つの頭文字をとった略語のこと。これら3つは企業の持続可能性や社会的責任を評価する際の指標とされ、投資における判断基準の一つとなっています。
このESG投資市場は急速な拡大を続けており、世界のESG投資残高を集計しているGSIA(Global Sustainable Investment Alliance)が隔年で発表している報告書(Global Sustainable Investment Review)の2022年版によると、世界のESG投資残高は30.3兆ドル(約4,500兆円)に達していることが示されています。米国を除く地域(欧州、カナダ、日本、オーストラリア、ニュージーランド)においては2020年と比較して20%の成長を見せており、今後も拡大が見込まれています。
このような投資市場の変化が、企業に対してGXへの取り組みを促す大きな圧力となっているのです。
● 政府の「重点投資分野」としての位置付け
GXへの注目が高まっている背景には、政府による政策的な後押しがあります。
2022年6月に閣議決定された「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」では「新しい資本主義に向けた計画的な重点投資」の対象としてGXが含められており、具体的な投資促進策が打ち出されました。この実現に向けて、政府は今後10年間で150兆円を超える官民投資の実現を目指しています。
このように、政府はGXを単なる環境対策としてではなく、日本の産業競争力を強化し、持続可能な経済成長を実現するための重要な戦略として位置づけているのです。企業においては、この政府の方針を踏まえた戦略的な投資判断が求められています。
日本政府のGXへの取り組み
日本政府は2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、様々な施策を展開しています。ここでは、特に重要な3つの取り組みについて確認していきましょう。
● GX実行会議
GX実行会議は、2022年7月に官邸に設置された、GXの実行に必要な施策を検討するための会議です。議長は内閣総理大臣が、副議長はGX実行推進担当大臣と内閣官房長官が務め、外務大臣、財務大臣、環境大臣のほか、民間や学識経験者などの有識者が構成員となっています。
2023年2月には「GX実現に向けた基本方針」を閣議決定し、脱炭素、エネルギー安定供給、経済成長の3つの同時実現を目指す方針を打ち出しました。特にロシアによるウクライナ侵略以降、エネルギー安定供給の確保が世界的な課題となるなか、GXを通じた解決策の検討を進めています。
参考:「GX実行会議」2025年3月 内閣官房ホームページ
(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/gx_jikkou_kaigi/index.html)
● GXリーグ
GXリーグは、GXに積極的に取り組む企業群(GX企業)が官・学・金(金融)と協働するための実践的な枠組みです。2023年4月から正式な活動がスタートし、2024年度には747社の企業が参画しています。
GXリーグの特徴は、企業における自主的な取り組みを重視している点です。義務的な制度ではなく、企業の自主的な参画を促す制度設計がなされており、自主的な企業が自ら高い排出削減目標を設定しGXに取り組んでいます。
参考:2025年3月 GXリーグ公式WEBサイト
(https://gx-league.go.jp/)
● 脱炭素先行地域でのGX社会実装
環境省は、2025年度までに少なくとも100箇所の脱炭素先行地域を設定し、全国各地で重点的な対策を実施することを目指しています。
自家消費型の太陽光発電の設置など住宅の脱炭素化が進められているほか、ゼロカーボンシティーの実現に向けた施策支援も行われており、再生可能エネルギーの主力電源化を地域レベルで推進。これらの取り組みは、2021年6月に策定された地域脱炭素ロードマップに基づいて進められています。
参考:2025年3月
「脱炭素地域づくり支援サイト」環境省ホームページ
(https://policies.env.go.jp/policy/roadmap/)
「地域脱炭素ロードマップ(概要)」環境省ホームページ
(https://www.env.go.jp/earth/②地域脱炭素ロードマップ(概要).pdf)
企業がGX推進に取り組むメリット
GXへの取り組みには一定の投資や労力が必要となりますが、企業にとっては大きなメリットをもたらす機会ともなり得ます。
企業がGX推進に取り組む主なメリットは、以下3点です。
● 企業ブランドイメージの向上
GXへの積極的な取り組みは、企業の社会的価値を高めます。環境問題に対する消費者や取引先の意識が高まるなか、「環境に配慮した企業」というイメージを醸成することで、ブランドイメージ向上につながるでしょう。
また企業イメージが向上することによって若い世代からの評価が上がり、優秀な人材を確保しやすくなる効果も期待できます。既存の従業員にとっても、環境問題に取り組む企業で働くことに誇りを持つことができ、仕事へのモチベーション向上につながるでしょう。
● エネルギーの使用量節約によるコスト削減
エネルギーの使用量節約によるコスト削減も、企業がGXに取り組むメリットです。エネルギー効率の向上や再生可能エネルギーの導入には初期投資が必要となりますが、その後の運用段階では経済的メリットを得られるでしょう。
具体的には、以下のような取り組みがコスト削減につながるとされています。
- 自社の工場に太陽光発電や風力発電設備を設置し、発電した電気を自社で消費する
- LED照明への切り替えや高効率な空調設備の導入、断熱性能の向上など、設備面での省エネ対策を進める
- AIとIoTを活用し、空調の最適化やエネルギー消費データの収集・分析を行う
● 政府より重点投資分野の一つとしての支援が期待できる
前述の通り、政府はGXを重点投資分野の一つとして位置づけており、2032年度までに150兆円を超える官民投資の実現を目指しています。GX関連の補助金が増えていくことが予測されていることから、GXに取り組むことで様々な支援を受けられるでしょう。
例えば、温室効果ガスの排出量削減に取り組む企業には「ものづくり補助金(グリーン枠)」や「事業再構築補助金(グリーン成長枠)」などの支援制度が用意されており、これらの要件も一部緩和される予定です。さらに、地域脱炭素移行を行う企業に対しては、再エネ推進交付金など地方公共団体を通じた支援も実施されています。
GXにおいて企業に求められる対応
GXの実現に向けて、企業には具体的な目標設定と行動が求められています。ここでは、GXにおいて企業に求められる具体的な対応についてみていきましょう。
● 自社の排出削減目標の設定・進捗の公表
2015年のパリ協定を契機として、企業による温室効果ガスの排出削減目標設定の動きが本格化しました。
また、2017年に公表されたTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)による「TCFD提言(最終報告書)」も、この動きを一段と加速させています。
TCFD提言では、企業による気候変動への取組や影響に係る財務情報についての開示を「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」という4つの領域で開示することを求めており、気候変動に関する情報開示の枠組みとして浸透しています。
この流れは着実に進展し、2022年4月からはプライム市場上場企業に対してTCFD等に基づく気候関連情報開示が実質的に義務化されるなど、企業の気候変動対策における情報開示の重要性は一層高まっています。
● サプライチェーン全体でのカーボンニュートラル推進
GXの実現に必要なのは、サプライチェーン全体でカーボンニュートラルを推進していくことです。
サプライチェーンとは、ある製品やサービスが作られて廃棄するまでの流れのこと。例えば、工業製品の場合、製品の原材料・調達・生産・物流・販売・使用・廃棄までのネットワークを指します。
二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスは、動物や植物の飼育・栽培からものづくり、移動まで、現代のほぼすべての生活および経済活動によって発生します。またGXは単なる環境対策ではなく、化石燃料中心の産業・社会構造からクリーンエネルギー中心への転換を目指すものであり、経済社会システム全体の変革が必要となります。
このような背景から、企業には自社の取り組みだけでなく、サプライチェーン全体での脱炭素化が求められているのです。
例えば、環境省の「バリューチェーン全体の脱炭素化に向けたエンゲージメント実践ガイド」によると、サプライチェーン全体での取り組みは以下の5段階で実践するとされています。
サプライヤーエンゲージメントの実施ステップ
出典:バリューチェーン全体の脱炭素化に向けたエンゲージメント実践ガイド|環境省
このように、サプライチェーン全体での脱炭素化は、取引先との協働を通じて実現していきます。特に重要なのは、取引先の状況を理解し、適切な支援を行いながら、双方にとってメリットのある形で取り組みを進めていくことです。
● GX人材の育成・社内の意識改革
企業がGXを実現するためには、全社的な意識改革と体制づくりが不可欠です。経営層のコミットメントだけでなく、従業員一人ひとりがGXの必要性を理解し、積極的に参加することが求められます。
しかし2025年現在において、ほとんどの企業ではGX人材は少ない状況です。また、少数のGX人材を採用できたとしても、社員全体にGXの意識を浸透させることは容易ではありません。そのため、社員に対してGX教育を行い、GX人材を育成していくことが重要です。
具体的には、GX人材の育成・社内の意識改革として、以下を実践することが推奨されています。
- 全社員が参加できる教育プログラムの設計
- 定期的な教育・研修の実施
- リスキリングの推進
GXの実現にDXが不可欠な理由
GX実現にはカーボンニュートラルの実現が急務であり、そのために省エネ対策をはじめとする様々な取り組みが求められています。これらの実践には、DXによる業務の効率化やデータ分析が欠かせません。
その理由として、以下3点をみていきましょう。
● GXにはエネルギー消費量の正確な把握と分析が必要なため
GXを推進するには、自社のエネルギー消費量を正確に把握し、分析することが求められます。これを実現する鍵となるのが、DXの推進です。
例えば、IoTセンサーを建物や設備に設置することで、リアルタイムでのエネルギー使用状況のモニタリングを実行できます。これにAIによる電力需要予測を組み合わせれば、無駄な電力消費を特定し、改善することができるでしょう。
このように、デジタル技術を活用したDXなしには、効果的なGXの推進は困難です。GXとDXは並行して取り組むべき課題であり、両者の連携が企業の持続的な成長につながります。
● サプライチェーン排出量の把握が困難であるため
前述の通り、GXリーグ参画企業には、自社の排出だけでなく取引先や販売先などでの排出量を抑える「サプライチェーン排出量」削減への取り組みが求められています。
サプライチェーン排出量とは、自社の製品やサービスに関わる全ての工程で発生した温室効果ガスの総量のこと。サプライチェーンの工程ごとに発生した自社と他社の温室効果ガス(スコープ1~3)を合計した排出量が、サプライチェーン排出量となります。
| スコープ 1 | 企業が直接排出した温室効果ガス。製品やサービスの製造の過程で設備の稼働に使用した燃料から発生した二酸化炭素、工場内の化学反応により発生した温室効果ガスが該当 |
|---|---|
スコープ 2 |
他社から供給されたエネルギーなどの使用に伴い間接的に排出された温室効果ガス。電力会社から購入している電気の使用により発生した温室効果ガスが該当 |
| スコープ 3 | スコープ1・スコープ2以外のサプライチェーンにおいて間接的に発生した温室効果ガス。範囲が広いため、製品の使用、製品の配送、従業員の出張や通勤など15のカテゴリに分類されている |
しかし、原材料の調達から製造、物流、販売、廃棄に至るまでの全過程で発生する排出量を正確に測定するのは難しいうえ、計算方法が複雑なことや、データが分断されていることなど、サプライチェーン排出量の測定には様々な課題が存在します。
これを解決できるのが、デジタル技術を活用した排出量管理システムの導入です。例えばブロックチェーン技術やAI・IoTを活用することで、企業間で分断されていたデータを受け渡したり、工程別・製品別の温室効果ガス 排出量を正確に測定したりといったことが可能となります。
また近年では排出量を算定する上での国際的な基準やガイドラインが整備されており、日本においても2026年3月期からSSBJ基準に基づく任意開示が始まり、2027年3月期からは時価総額3兆円以上の企業を対象とした義務化が見込まれています。初年度はスコープ3の開示が免除される経過措置が設けられる予定ですが、将来的な開示は避けられない状況でしょう。
この観点からも、多くの企業がデジタル技術を活用した排出量管理システムの導入を進めています。
● DXにより業務プロセスを自動化できるため
前述の通り、サプライチェーン排出量の把握には、原材料の調達から製品の廃棄まで、多岐にわたる項目の測定と計算が必要です。これらの情報を全て取引先に個別確認することは現実的ではなく、また社内での手作業による計算や管理には膨大な時間と労力がかかります。
この解決策として挙げられるのが、デジタル技術を活用した自動化です。例えば排出量管理システムを導入することで、取引先からのデータ収集や排出量計算、リアルタイムでの進捗管理などを自動化できます。
特に近年はクラウドベースの排出量管理プラットフォームなど、導入が容易なソリューションも増えています。これらのツールを活用することで、手作業で行っていた煩雑な業務を大幅に効率化し、より正確かつ迅速に排出量の把握と管理を行えるようになるでしょう。
デジタル技術を活用したGX推進の取り組み事例
ここからは、デジタル技術を活用したGX推進の取り組み事例について解説します。
● エネルギー管理の最適化
デジタル技術を活用したGXの取り組みとしてまず挙げられるのが、エネルギー管理の最適化です。以下のような取り組みにより、企業のエネルギー使用状況をリアルタイムで把握することができます。
| 取り組み例 | 詳細 |
|---|---|
IoTセンサーによる温度・湿度・CO2 濃度のリアルタイムモニタリング |
温度センサーや湿度センサーを建物内の各所に設置し、空調機器の運転状況をリアルタイムでモニタリングすることで、不要な空調の稼働を防ぐ |
| 工場内エネルギー管理システム | 生産していない時間帯の設備稼働や、必要以上の圧縮空気の使用といった無駄を見つけ出し、改善することで、工場全体のエネルギー使用量を削減できる |
● サプライチェーン排出量の可視化
デジタル技術の活用により、サプライチェーン排出量を正確に把握・管理することが可能です。サプライチェーン排出量に関するデジタル技術の活用例を以下にまとめました。
| 取り組み例 | 詳細 |
|---|---|
GHGデータの自動収集と分析 |
生産設備や建物に設置したセンサーからリアルタイムでデータを収集し、自動で排出量を計算することで効率化を図る |
| サプライヤーとの情報連携 | 取引先との間で排出量データを安全かつ効率的に共有できるプラットフォームを構築し、原材料の調達から製造、物流までの排出量を正確に把握できる |
| カーボンフットプリントの算出 | 製品1個あたりのCO2 排出量を自動計算することで、製品の環境ラベルや環境負荷の少ない製品開発に活用できる |
● 生産プロセスの効率化
デジタル技術を活用すれば、生産プロセスの効率化も実現できます。以下のような取り組みを通して、より効率的な生産体制を構築することが可能です。
| 取り組み例 | 詳細 |
|---|---|
IoTセンサーによる設備稼働の最適化 |
工場内の設備に取り付けたIoTセンサーにより稼働状況をリアルタイムでモニタリングし、設備の無駄な稼働を防ぐことでエネルギー使用量を削減できる |
| デジタルツインによる省エネ施策の検証 | 実際の生産ラインをデジタル空間上に再現し、省エネ施策をシミュレーションすることにより、効率的な投資判断が可能となる |
サプライチェーン全体のGHG排出量を一元管理、「GX」に欠かせないクラウドサービス「cocono」
三菱電機インフォメーションシステムズ(MDIS)が提供する「cocono」は、企業のカーボンニュートラル推進の基盤として、サプライチェーン全体のGHG(温室効果ガス)排出量を見える化し、改善に向けた「気づき」が得られるクラウドサービスです。
GHG(温室効果ガス)データを、人手を介さず収集し、視覚的に理解しやすい専用ダッシュボードと連携・可視化する事で、ホットスポットの見極め他、削減に向けての分析・対策に取り組むことができます。
<主な特長>
- GHG排出量につながるデータを、人手を介さず収集し、製品別カーボンフットプリント(注1)を算出可能各拠点の管理サーバー等を通じ収集した、生産ラインの稼働実績や電力、空調、照明などエネルギー消費実績をネットワーク経由で収集し、製品別カーボンフットプリントを算出可能。
注1) カーボンフットプリント(CFP):二酸化炭素換算で集計したGHG排出量
- 視覚的に理解し易い専用ダッシュボードで、迅速かつ多角的な分析を支援(注2)
対象別の数値や変動などを、グラフなどで視覚的に分かり易く見せるダッシュボードを表示します。
注2) 操作性のよい専用ダッシュボードやレポート機能、スコープ3までをカバレッジする株式会社ゼロボードのサービスと連携により実現しています。
- 設計情報との連携により製品開発の上流工程から環境負荷低減策の検討が可能(特許出願中)
製品設計時の部品情報(E-BOM(注3))との連携により設計時点からGHG排出量削減の検討が可能です。
注3 ) E-BOM(Engineering-Bill Of Materials):設計部品表
- 多様なITシステムとのデータ連携による作業負担軽減およびデータの精度・鮮度・真正確保
スコープ1~3のデータ集計作業を自動化する事で担当者の作業負荷を軽減する事ができます。実績に基づいた精度の高い一次データを利用することで、企業の削減努力が数字として反映され、信頼性ある、より正確なCO2 排出量に基づく情報開示が可能になります。
監修:尾山 耕一(おやま こういち)
EY ストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 サステナビリティ室 室長 パートナー。
自動車・製造業を中心に、新規事業企画、技術開発構想、マーケティング戦略立案などに従事する。近年では、SDGsを起点とした中期経営計画策定、 社会課題解決に向けた新規事業構想、TCFD対応など、サステナビリティ視点を組み込んだ経営戦略の立案支援に取り組む。「FCV(燃料電池自動車)を中心とした水素社会実現を促進する研究会」の民間企業事務局を担当。大手会計系コンサルティングファームを経て、現職。共著書に『カーボンZERO 気候変動経営』(日本経済新聞出版)がある。
※GX関連解説部分の監修となります。