事業の軌跡
HISTORY 1960 - 2020コンピュータ黎明期
1960年代
汎用コンピュータが登場し、情報通信産業の黎明を告げる
高度成長期を迎え、東京オリンピックや東海道新幹線、カラーテレビ普及など、経済発展と科学技術大国への変革を象徴する出来事が続く。1964年にIBMが世界初の汎用計算機「システム/360」をリリース。国内では国鉄が座席予約システム「マルス」の運用を開始した。
三菱電機では
米国との技術格差を埋めるべく、通産省工業技術院の下で国内電機メーカー各社が協力した国産コンピュータ開発が進む中、当社無線機製作所が自社初のデジタルコンピュータMELCOM1101を製品化。その後の会計機、オフコン初号機の投入への礎を築いた。
1960
三菱電機の電子計算機第1号 となる「MELCOM1101」が完成
1961
国産の会計機第1号機となる「 MAM21」を発売
1968
オフィスコンピュータ「MELCOM 81」を発売、名称「オフコン」の起源となる
「MELCOM81」は、電子式会計機をベースに、演算部を電子化しプログラム内蔵方式とした、当社のオフコン「MELCOM80」シリーズの最初のモデルです。トランジスタとダイオードで構成した10進補正機能付の1ビット演算装置と、主記憶として6KBの磁気ディスク装置を持ち、COOLと呼ばれる機械語により事務処理演算用プログラムの開発を可能としました。 「MELCOM81」のカタログにある「オフィスコンピュータ」との記載は、その後国内で事務処理向け中・小型コンピューターの総称として広く浸透・定着した「オフコン」の名称の由来です。当社にて保存している「MELCOM81」は、オフコンの元祖として、国立科学博物館の重要科学技術史資料に登録されています。
コンピュータ発展期
1970年代
業界再編が進み、国内コンピュータ産業は発展期を迎える
1970年にIBMが「システム/370」を発表。国内メーカーも価格性能比を大幅に改善した対抗機を相次ぎ開発した。公害・環境問題の深刻化、2度の石油危機によるエネルギー政策の見直しなど、日本の経済・産業構造が転換期を迎える中、コンピュータ産業は、完全自由化を見据えた開発補助金制度など、通産省の様々な保護政策のもと3グループに再編成され、発展期を迎える。
三菱電機では
国産コンピュータの発展期を迎え、用途別に汎用計算機、制御系・通信系の小型計算機(ミニコン)、事務処理用のオフィスコンピュータ(オフコン)を製品化。固定ディスクなどの周辺機器開発も積極的に進めた。
1971
国産最高性能のミニコン 「MELCOM-70」を発売
1973
(株)メルコムビジネスを設立
1974
国産メーカー3グループ化により沖電気工業と共同開発した大形汎用計算機「MELCOM-COSMO 700」を発売。
「MELCOM-COSMO 700」は、「三菱電機株式会社」「沖電気工業株式会社」「株式会社三菱総合研究所」の3社にて「超高性能電子計算機技術研究組合」を設立し、開発を進めた当社の新電子計算機シリーズの最初のシステムです。「モデル700」は、IBM370のモデル145に相当し、それよりはるかに優れた性能・価格比を実現。システム構成モジュールの効果的な分散化と統合化を追求した“Multi-Share”という思想をベースに開発を行ない、高い性能・価格比を最大限に追求しました。
1974
鎌倉製作所から計算機工場を独立させて計算機製作所を設立
1975
コンピュータシステム工場を設立(後にコンピュータシステム製作所に名称変更)
1976
高性能・低価格な光学文字読取装置(OCR)「M2481」を発売
1978
MELCOM70シリーズに国産ミニコン最高性能のモデル60及び1ボードミニコンのモデルLを追加発売
コンピュータ普及期
1980年代
企業のコンピュータ利用が進み、オフコン市場が活況を呈す
1980年前後に日本語ワープロを中心としたOAブームが到来。オフコン利用も急速に進み、1980年代後半には基幹系業務(OA用途)から情報系業務(情報分析・データ利活用)へと用途が拡大した。一方で早くも1982年には、米国で世界初のコンピュータウイルスが確認された。
三菱電機では
国産コンピュータの開発競争が激化する中、国内初の16ビットパソコン、第5世代コンピュータプロジェクトのAIワークステーション、空前の大ヒットとなったRDBプロセッサなど、新製品を次々と市場に投入した。
1981
日本初の本格的な業務用高性能16ビットパーソナルコンピュータとなる三菱パーソナルコンピュータ「MULTI16」を発売
三菱パーソナルコンピュータ「MULTI16」は、国産初の16ビットパソコンです。1MBのアドレス空間、高解像度グラフィックス、最大4,000漢字を扱える本格的日本語機能など、当時の先進機能を備える高性能な業務用パソコンとして、事務処理や科学技術計算、ホストの分散処理端末等の業務で威力を発揮しました。主な仕様は、CPUに8088(4.4MHz)、主記憶最大384KB、640×400ドット8色カラーCRTディスプレーや5インチフロッピーを標準装備し、10MB固定ディスク装置が増設可能。OSにはCP/M 86を採用、M-BASIC plus、FORTRAN、CIS-COBOLの各プログラム言語に加え、マイクロソフト社の表計算ソフトMULTIPLANや、販売・経理・給与パッケージなど、100種類ものアプリケーションを準備しました。
1982
オフコン初の32ビットアーキテクチャーとなる三菱オフィスコンピュータ「MELCOM 80 オフィスランドシリーズ」を発売
「MELCOM80 Model500」上で開発されたアプリケーションプログラムは、その後40年以上にわたり後継製品上で実行することができました。
この資産継承性の高さが、国内で一時代を築いた当社オフコンの強みとなりました。
1986
世界初PROLOG機能を直接実行する本格的AIワークステーション 三菱AI ワークステーション「MELCOM PSI」を発売
当時、通商産業省が推進していた第五世代コンピュータプロジェクトにおいて、当社が委託を受け開発したパーソナル逐次形推論マシンを製品化したもので、オブジェクト指向により知識表現能力を拡充した高水準言語Extended Self-contained Prolog(略称ESP)をハードウェアで直接実行する、世界初の商用Prologマシンです。データタイプを表現する8ビットのタグを32ビットのデータと対にして保持するタグアーキテクチャ、最大16Mワード(1ワードは40ビット)の記憶空間、高速のスタック機構等により、大型計算機並みの推論処理性能を実現。エキスパートシステム構築ツールEXTKERNELや、当時はまだ新しかったマルチウィンドウ等の先進機能により、AIシステムを効率よく構築することが可能になりました。
1987
計算機製作所とコンピュータシステム製作所が統合しコンピュータ製作所を設立
1988
当社グループ154社向けグループ内デジタル統合通信網「MIND」のサービスを開始
1989
国産初ベクトル演算機構搭載スーパー・ミニコン「MELCOM70 MX/5000-SPシリーズ」を発売
1989
三菱電機情報ネットワーク(株)を設立
1989
データベース処理を最大50倍高速化する三菱RDBプロセッサ「GREO」を搭載した「MELCOM80 GEOC GRファミリ」を発売
東京大学生産技術研究所の喜連川優助教授の研究成果を製品化し、専用ハードウェアを用いてデータのソートを高速化するリレーショナルデータベースプロセッサ「GREO」が誕生した。既存のアプリケーションプログラムを変更することなく、処理負荷の重いソート処理を計算機本体から切り離して高速処理することで、データベースアクセスを従来の3~50倍に高速化し、CPU負荷を1/10~1/200に軽減した。初号機として「MELCOM80/80GR」に搭載された後、適用機種を順次拡大し、その効果の分かりやすさ、使い勝手の良さから広く普及し、当社オフコンのシェア拡大に大きく貢献しました。この技術はその後さらに改良され、2000年にはソート性能の世界記録※を樹立しました。
情報技術の進化による新たなIT活用
1990年代
低価格化と「Windows95」の登場で、コンピュータの業務利用が決定的に
コンパックショックによる低価格化と「Windows95」の販売開始により、企業のパソコン利用が爆発的に増加。クライアント/サーバシステム、電子メール、グループウェアなどの導入が進んだ。インターネットの商業利用開始など情報通信産業を取り巻く環境も激変。また1990年代末には、世界中のコンピュータ業界は「西暦2000年対応」(Y2K対応)に追われた。
三菱電機では
パソコン時代の要請に応え、基幹業務向けPCサーバ(FT8000など)の製品化、独自コンピュータシステム(汎用機、オフコン)のオープン化などに注力した。
1990
英国アプリコット社のコンピュータ・ハードウェア事業部門を買収し、クライアントサーバシステム事業を強化
1993
ハードディスク内蔵で業界最小のペンコンピュータ「AMITY」を発売
HDD内蔵で業界最小となるペンコンピュータ AMITYを開発しました。電磁誘導方式の専用ペンにより、メニュー選択、文字や図形の直接入力が簡単に行え、紙とペンを使う操作感覚を実現しました。
その後もカラー液晶ディスプレイを搭載する等の機能強化と軽量化を実現した AMITY SPを開発し、接客業務や営業支援業務、保守サービス業務等の用途で広く活用されました。
1994
コンピュータ製作所から情報システム製作所に名称変更
1995
個人向けホームユースの三菱パーソナルコンピュータ「apricot MS540」を発売
1996
世界で初めてインテル社Pentium Proプロセッサを8個搭載したクライアントサーバコンピュータ「apricot FT8000」を発売
1997
情報セキュリティソリューション「MistyGuardシリーズ」の第一弾となるファイル暗号ソフト「CRYPTOFILE」を発売
1997
大福帳型データベースから多次元分析を可能にする「三菱OLAPサーバDIAPRISM」を発売
1997
三菱モバイルコンピュータ「Pedion」がPC WEEK誌「BEST OF COMDEX」部門賞を受賞
1998
コールセンターソリューションをオールインワンで提供する 三菱CTIサーバ「ダイアコール」を発売
1998
基幹業務システムの短期構築を可能にする製造業向けERPテンプレート「MELEBUS」を発売
激化するサイバー攻撃と対策
2000年代
インターネットサービスの進化とともに脅威も多様化。セキュリティへのニーズが高まる
ADSLやFTTHによる常時接続・高速大容量インターネットが普及。SNSやオンラインソーシャルゲーム、Eコマース、2006年以降にはクラウド/SaaSが登場するなど、サービスの多様化が進む。一方でサイバー攻撃も劇的に進化。高まる脅威に、ネットワークセキュリティ対策の高度化が求められた。
三菱電機では
インターネットの普及拡大を受け、情報システム・サービス事業の体制を刷新。ハードウェアの製造・販売中心からシステム・インテグレーション(SI)中心へ事業モデルの転換を進めた。
2000
DIAPRISMが業界標準ソートベンチマークテスト「Datamationベンチマーク」で世界記録を樹立
業界標準のソートベンチマークであるDatamationベンチマーク(ランダムに並んだ100万レコードの並び替え)において、DIAPRISMハードウェアソータボードを搭載したPCサーバーが世界記録(2000年)となる0.998秒を達成しました。
その後もDIAPRISMは性能、機能ともに進化を続け、1200社を超えるお客様に導入いただいています。
2000
インターネット連携機能を強化したRX7000シリーズの後継機「Entranceシリーズ」を発売
2000
三菱電機ビジネスシステム(株)が電子帳票システム「e-image」を発売
2001
情報システム事業本部とインフォメーション・ネットワーク事業推進本部が統合し、インフォメーションシステム事業推進本部を設立。併せて、情報システム事業本部が担当していた情報システムソリューション事業とプラットフォーム事業を分社化し、三菱電機インフォメーションシステムズ(株)と三菱電機インフォメーションテクノロジー(株)を設立
2003
三菱電機ビジネスシステム(株)が人事・総務トータルシステム「ALIVE SOLUTION」を発売
2005
三菱電機インフォメーションテクノロジー(株)がネットワークカメラ用録画・配信サーバー「ネカ録」を発売
2005
三菱電機情報ネットワーク(株)が24時間365 日体制でICT システムの監視・運用・保守を行う統合運用管制センターを設立
2008
三菱電機インフォメーションテクノロジー(株)がオフコンで初めて仮想化技術を搭載した「三菱電機データセントリックソリューションCENTRAGEシリーズ」を発売
クラウド時代の到来
2010年代
スマートフォンの普及でネットワークに常時接続する社会に
Appleが開発した「iPhone」が牽引役となり、フィーチャーフォンからスマートフォンへの移行が世界的に加速。スマートフォンが社会や経済に不可欠な存在に。それに伴い、高速・大容量通信へのニーズが高まり、LTEや4Gなどの移動通信システムも進化。高速かつ安定したインターネット接続が一般化したことで、クラウドサービスが急速に台頭。
三菱電機では
クラウド時代に応え、様々なサービスを続々と開発。映像解析ソリューション「kizkia」など、飛躍的に進化したAIやビッグデータなどのデジタル技術を活用する新たなソリューションの創出にも力を注いだ。
2010
三菱電機インフォメーションシステムズ(株)初のSaaS となるFAXOCR サービス「MELFOS on Demand」を発売
2011
東日本大震災で被災された薬局の調剤業務復興支援のため三菱電機インフォメーションテクノロジー(株)が保険薬局システムを無償提供
2014
三菱電機情報ネットワーク(株)と三菱電機インフォメーションテクノロジー(株)を合併し、三菱電機インフォメーションネットワーク(株)を設立
2014
インフォメーションシステム統括事業部を設立
2015
IoTシステムをワンストップで構築できるスマート制御クラウドサービス「DIAPLANET」を発売
2015
三菱電機インフォメーションネットワーク(株)がクラウドサービスの企画から運用までワンストップで支援するハイブリッドクラウドサービス「CloudMinder」を発売
2016
街のニーズに合わせ快適な暮らしをサポートするEMSサービス「DIAPLANET TOWNEMS」を発売
2017
三菱電機インフォメーションシステムズが三菱電機のAI技術を基に開発した映像解析ソリューション「kizkia」を発売
三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社が、三菱電機のAI技術Maisart(マイサート)を基に映像解析ソリューション kizkia(きづきあ)を開発しました。kizkiaは、公共施設での属性検知(白杖・車いす等)や製造業での外観検査等に活用できる他、kizkiaの技術を活用した介護施設向け見守りサービス kizkia-Knight、製造現場のメーターの値を読み取る kizkia-Meter も展開しています。
2017
三菱電機ビジネスシステム(株)が製造業向けソリューション「HYPERSOL シリーズ」を発売
生成AIの登場
2020年代
コロナ禍を経験し、新しい時代のデジタルインフラ構築へ
新型コロナウイルス感染症の世界的流行で対人接触が制限され、オンラインコミュニケーションが一般化。メタバースやデジタルツイン、DAOなどに注目が集まる。
また、「ChatGPT」など生成AIを活用したサービスも多数登場。生成AIは、会話やコンテンツの生成において高度な能力をもち、幅広い分野での活用が期待されている。
三菱電機では
コロナ禍によって加速した企業のデジタル化や、それに伴う新しい働き方を支える様々なサービスを発売。サステナブルな社会実現に貢献する新たなソリューション開発にも積極的に取り組んだ。
2020
三菱電機インフォメーションシステムズ(株)、三菱電機インフォメーションネットワーク(株)および三菱電機ビジネスシステム(株)の事業体制を再編。併せて、三菱電機ビジネスシステム(株)から三菱電機IT ソリューションズ(株)に社名変更
2021
三菱電機インフォメーションネットワーク(株)がクラウド上で電子取引や電子検認手続きを完結できる電子取引サービス「@Sign」を発売
2021
三菱電機IT ソリューションズ(株)が酒類・食品流通業向け販売管理システム「酒快Do」、「酒Do 楽」のクラウドサービスを発売
2022
三菱電機インフォメーションネットワークが最新のサイバー攻撃に備えたMINDサイバーフュージョンセンターを設立し、CSIRT運用支援サービスの提供開始
三菱電機インフォメーションネットワーク株式会社(MIND)が、お客様のセキュリティライフサイクル全般を支える新組織「MINDサイバーフュージョンセンター」を2022年10月に設立し、サイバー攻撃に対する備えを強力にサポートする「CSIRT運用支援サービス」の提供を開始しました。日々高度化するサイバー攻撃に対して、検知から対応・復旧までMINDがワンストップで支援します。
2023
三菱電機インフォメーションシステムズ(株)が(株)スカイアーチネットワークスと共同出資でクラウドセントリック(株)を設立
2023
三菱電機IT ソリューションズ(株)が次世代コミュニケーションサービス「AnyCOMPASS」の第一弾となるクラウド版電子薬歴サービスを発売
三菱電機ITソリューションズ株式会社(MDSOL)が、地域における健康管理の中核プラットフォームを担う保険薬局の支援のため、次世代コミュニケーションサービス AnyCOMPASS を開発しました。
AnyCOMPASSは、MDSOLが有する様々な薬局向けシステムを取り込み、クラウドサービスとして提供するもので、薬局薬剤師DXに必要となるサービスを順次拡張していきます。
2025
IT ソリューションビジネス・業務改革推 進本部を分社化し、三菱電機インフォ メーションシステムズ(株)、三菱電機 インフォメーションネットワーク(株) および三菱電機IT ソリューションズ (株)との統合により三菱電機デジタル イノベーション(株)を設立