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RD No.2517

台湾ITRIが開発したCO2回収装置を用いてCO2回収技術の実証試験を開始

カーボンニュートラルの実現に向けたCCUシステムの構築を目指し、高効率なCO2回収を実証
CCUシステムとCO2回収技術の実証試験の概要

CCUシステムとCO2回収技術の実証試験の概要

 

 三菱電機株式会社は、財団法人工業技術研究院(台湾、以下英略:ITRI※1)が開発したCO2回収装置を当社の先端技術総合研究所(兵庫県尼崎市)に設置し、排ガスからCO2を回収する実証試験を6月9日に開始します。

 当社とITRIは、グリーンな社会への変革に向けた研究協力に関する基本協定を2024年4月に締結し※2、地球規模の課題である気候変動問題の解決に向け、CCU※3技術の研究開発に取り組んでいます。

 今回当社は、ITRIが開発したCO2回収装置を先端技術総合研究所の蒸気発生ボイラーに接続し、蒸気発生ボイラーの排ガスに含まれるCO2を回収します。このCO2回収装置は「固体吸着方式」を採用しており、固体吸着材にCO2を吸着させた後に、固体吸着材を加熱してCO2を脱離することで回収し、次の工程(還元など)へ進みます。排ガスからのCO2回収においては、従来、アミン※4系の水溶液などにCO2を吸収させる「液吸収方式」が用いられてきましたが、CO2回収時の加熱エネルギーの多くが水溶液の蒸発に使用されてしまい、エネルギー損失が発生することが課題でした。今回採用した「固体吸着方式」では、蒸発によるエネルギー損失は発生せず、CO2回収に必要なエネルギーを低減できます。また、当社が空調冷熱システムや産業システムなどの幅広い分野で長年培ってきた、高度なシステム設計・制御技術やエネルギーマネージメント技術を活かし、よりエネルギー効率の高いCO2回収技術の確立を目指します。

 当社とITRIは、持続可能な未来を創るためにこの実証試験の成果を活用し、CO2の回収から利用まで一貫して実現するCCUシステムを早期に社会実装していくことを目指して研究開発を加速していきます。さらに、当社が取り組むE&Fソリューション※5と組み合わせて、カーボンニュートラルの実現に向けた工場などにおけるCO2排出量の削減にも取り組んでいきます。

 当社は今後も、社会課題解決と事業成長を同時に成し遂げる「トレード・オン」の活動を加速させ、サステナビリティの実現を目指します。


  • ※1

    ITRI:Industrial Technology Research Institute

  • ※2

    2024年4月16日広報発表 https://www.MitsubishiElectric.co.jp/news/2024/pdf/0416.pdf

  • ※3

    Carbon dioxide Capture and Utilization
    発電所や工場などから排出されたCO2を分離・回収し、資源として燃料や化学製品の製造に有効利用する

  • ※4

    窒素原子を中心として構成されている化学物質で、CO2をよく吸収し、加熱や減圧によって放出することが可能

  • ※5

    Energy & Facility(エネルギー&ファシリティ)ソリューションの略称

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