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掲載のデータは発表当時のものです。価格・仕様について変更する場合もございます。

RD No.2526

非接触で人体の微小変動を高精度に捉える新方式の生体センサーを開発

バイタルデータを日常的かつ継続的に計測し、ウェルビーイングや安心・安全な社会の実現に貢献
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センサー装着イメージ(社員証内蔵)

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センシング範囲のイメージ

 

 三菱電機株式会社は、心拍や呼吸などに伴う体表面および人体内部構造の微小変動※1を、非接触で高精度に検出する新方式の生体センサーを開発※2しました。本センサーは、スマートウォッチなどの接触型センサーの適用が難しい利用シーンなどにおいても、日常的かつ継続的にバイタルデータを計測することを可能とし、利用者の健康管理や高齢者の見守りなど、ウェルビーイングや安心・安全な社会の実現に貢献します。

 近年、スマートウォッチなどの普及により、日常生活の中で継続的に計測したバイタルデータから、個人の心身の状態を推定し、健康管理などに活用する動きが広がっています。また、企業では、従業員の健康管理と生産性向上が重要なテーマとなっており、従業員の心身状態の可視化、個々人に適した労働環境の提供、要改善作業の見える化などに向けて、バイタルデータを起点とした新たなアプローチが注目されています。さらに、政府が掲げる「2040年までに健康寿命を3年以上延伸する」という目標※3の実現に向けては、日常的な生体センシングによって得られたバイタルデータを収集・分析し、活用する仕組みが有効と考えられています。一方で、スマートウォッチなどの接触型のセンサーは、装着の煩わしさや皮膚トラブル、作業の安全性確保などの観点から使用が制限される場面があるため、非接触で高精度にバイタルデータを計測できるセンサーの活用が期待されています。

 本センサーは、体表面および人体内部構造の微小変動を、微弱な電波を用いて電磁界の変化として捉えることにより、非接触で心拍などを計測できる新方式の生体センサーです。センサーの装着位置や体格などの個人差を検出し、センサーの感度を自動的に最適化する機能により、常に安定したセンシングを実現しました。さらに、電磁界の変化に加え、衣服越しに伝わる心拍の振動も計測することでセンシング精度を高め、衣服の上から肌に触れることなくバイタルデータを計測することを可能としました。また、これら複数のセンシング情報を組み合わせたマルチモーダルセンシングと、機械学習を利用した心拍間隔の抽出アルゴリズムを採用することで、スマートウォッチなどの接触型センサーと同等の計測精度※4を実現しました。これにより、利用シーンや対象者に応じて、さまざまなセンサー機器の中から最適なものを選択できる環境を提供し、生体センシング技術の活用範囲を拡大します※5

 今後は、高精度なバイタルデータから労働者の心理状態などを分析することで、個々人に適した労働環境の提供など、生産性向上につながるソリューションの実現に向けた研究開発に取り組むとともに、本センシング方式の心拍間隔計測以外への適用研究を進めることで、ウェルビーイングや安心・安全に働ける社会の実現に貢献します。


  • ※1

    外的な形状変化のみではなく、心臓内部の構造変化などの物質的変化も検出可能

  • ※2

    本センサーはウェルネスおよび日常的な健康管理を目的としたものであり、疾病の診断・治療・予防等の医療目的での使用を意図したものではありません

  • ※3

    厚生労働省「健康寿命延伸プラン」https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/001471359.pdf

  • ※4

    当社計測結果による

  • ※5

    当社が実施した「活動量/移動量、健康データを測定できるウェアラブルデバイスとして、肌への接触有無の観点で使っても良いと思う形態はどれか」というWebアンケート調査(回答者1,000名)の結果は接触型37%、非接触型25%、どちらでも良い38%であり、非接触型を求める声が回答数の1/4と、一定数のニーズがあることを確認

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