ニュースリリース

最新ニュース一覧ページへ戻る

掲載のデータは発表当時のものです。価格・仕様について変更する場合もございます。

RD No.2528

高輝度・高精細でリアルな映像を空中に表示するディスプレイ「CielVision」を開発

多様なXRソリューションの創出を通じて、安心・安全で豊かな社会の実現に貢献
空中ディスプレイ「CielVision」(2D)の適用例(イメージ)

空中ディスプレイ「CielVision」(2D)の適用例(イメージ)

 

  三菱電機株式会社は、独自の空中プロジェクション光学技術にデジタル映像処理技術を融合した新たなデジタル光学技術により、高輝度・高精細でリアルな映像を空中に表示する空中ディスプレイ「CielVisionTM(シエルビジョン)」を開発しました。空中映像の大幅な視認性向上と、表示装置のスリム化を実現し、さまざまなシーンに適用可能な新たなXR※1ソリューションを創出します。

 近年、デジタル技術の進展などを背景に、利用者に高い臨場感と没入感を提供できる空中ディスプレイが注目を集めています。空中ディスプレイの多くは、コストの低い再帰反射方式※2を採用していますが、光損失の大きい再帰反射材やハーフミラーを使用するため映像が暗く、解像度が低下するため視認性が低いという課題があります。また、等倍光学系※3であるため、大きな映像を表示するにはその分大きな表示装置が必要となることから、適用範囲が限られていました。

 当社は今回、自由曲面ミラー※41枚のみで、クリアな映像を空中に表示することを可能にした独自の空中プロジェクション光学技術に、空中映像の歪曲を補正するデジタル映像処理技術を組み合わせることで、高輝度・高精細で歪みのない空中映像表示を実現するディスプレイ「CielVision」を開発しました。本ディスプレイは、2D表示に加え、空中映像重畳機能により両目に視差画像※5を同時に表示することで、裸眼で視認可能な3Dでの空中映像表示を実現しました。また、従来方式を採用した空中ディスプレイに比べてスリム化を実現できたため、可搬性にも優れています。

 本技術により、従来は適用が難しかったシーンへの空中映像の適用が可能になります。例えば、高輝度であることが求められる屋外、また、壁や頭上だけでなく通路の中央など、利用者の視界により近い任意の空間への案内表示などが可能となるため、道路や公共機関の案内表示などに本技術を適用することで、利用者の直感的な意思決定をサポートするなどの活用を見込んでいます。さまざまなシーンに適用可能な新たなXRソリューションを創出し、安心・安全で豊かな社会の実現に貢献します。

 本開発成果の一部を、「CEATEC 2025」(10月14日~10月17日、於:幕張メッセ)に出展※6します。「CEATEC 2025」では、ゴーグルやヘッドセットなどのウェアラブル機器を装着することなく、空中映像の立体感を楽しむことができる「CielVision(3D)」が体験できます。


  • ※1

    Extended Realityの略で拡張現実を指す

  • ※2

    入射した光が再び入射方向へ帰る反射方式

  • ※3

    被写体を同じ大きさで結像する光学系のこと。表示デバイス(光源)と空中映像の大きさが等倍で、光学素子から表示装置および空中映像までの距離も等しくなる

  • ※4

    自由曲面を反射面とする光学素子のこと。複雑な曲面をもち、光の反射を精密に制御することが可能

  • ※5

    異なる視点から見たときの画像で、主に立体視や3D映像の生成に用いられる

  • ※6

    2025年9月10日広報発表https://www.MitsubishiElectric.co.jp/ja/pr/2025/pdf/0910-a.pdf

お客様からのお問い合わせ先

カテゴリーや発表年別で探す