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RD No.2604

世界初、高配向性熱分解グラファイトの自己復元特性を確認

MEMSの長寿命化により、振動環境でも壊れにくい信頼性の高い機器の実現に寄与
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試験方法と自己回復特性の試験結果

 

 三菱電機株式会社は、国立大学法人京都大学(以下、京都大学)大学院工学研究科の固体力学研究室(平方研究室)との共同研究により、ファンデルワールス(vdW)積層材料※1の一種である高配向性熱分解グラファイト(HOPG)※2が、自己復元特性を持つことを世界で初めて※3確認しました。本成果は、vdW積層材料を用いた微小電気機械システム(MEMS)※4の長寿命化を実現し、MEMSを搭載するさまざまな機器の信頼性向上に寄与します。なお、本研究は、2019年から続く京都大学との組織連携活動※5の一環として実施しました。

 近年、スマートフォンの高機能化、車載システムにおける自動運転・安全制御の高度化、ウェアラブルデバイスの普及などに伴い、加速度センサーや圧力センサーなどのMEMSの需要が急速に拡大しており、長期間の振動や衝撃に耐える高い耐久性を確保しながら、軽量化を実現することが求められています。このような背景のもと、軽量で柔軟かつ高い強度を持つvdW積層材料のMEMSへの適用が有望視されてきましたが、vdW積層材料はマイクロレベル試験片の作製が難しく、試験方法も確立されていないため、中長期的な信頼性、特に繰り返しの負荷に対する疲労特性はこれまで解明されていませんでした。

 当社と京都大学は、HOPGのマイクロレベル試験片の作製に成功し、さらに試験片に繰り返し曲げ負荷を与えてせん断変形させる新たな試験方法を確立※6し、試験結果の分析を進めてきました。そして今般、当社は、HOPGの試験片が負荷回数の増加に伴い軟化し、時間の経過とともに硬さを含む機械的強度が回復する「自己復元特性」を持つことを世界で初めて※3確認しました。この発見は、積層構造によって振動エネルギーを逃がす特性を持つHOPGを、振動による疲労を回復する機能を備えた振動吸収機構※7として利用できる可能性を示すものであり、この機構を応用することで、継続的な振動環境でも壊れにくく、信頼性の高い機器の開発に寄与することが期待されます。今後は、この疲労試験方法を他のvdW積層材料にも適用し、MEMSの長寿命化を実現するための研究を進めていきます。

 なお、本研究成果は、ダイヤモンドや関連材料に関する国際的な学術誌「Diamond and Related Materials※8」に採択されました。


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