ニュースリリース
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数値制御工作機械の誤差をリアルタイムで補正するエッジデジタルツイン技術を開発
エッジデジタルツインの構築と実装の概要
三菱電機株式会社は、アーヘン工科大学(ドイツ連邦共和国)と共同で、CNC(Computer Numerical Control)装置※1上で動作するデジタルツインを用いて、工作機械の加工誤差をリアルタイムに補正する技術を開発しました。また、本技術を実装した工作機械において、構造部の変形によって生じる加工誤差を最大で50%低減できることを確認※2しました。これにより、切削加工工程で発生する不良品を削減し、生産性向上と環境負荷低減の両立に貢献します。
近年、製造業では市場ニーズの多様化などに伴い、より高精度かつ効率的な生産体制の構築が求められています。特に、金属切削などの機械加工分野では、切削力によって生じる工作機械の変形や、工具摩耗、温度変化、加工対象のばらつきなどが原因で加工精度が低下し、不良品の発生や生産効率の低下につながることが課題となっています。この課題の解決策として、現場で取得したデータと、工作機械および切削加工の物理モデルを組み合わせて、コンピューター上で加工状態をリアルタイムに再現・推定するデジタルツイン技術が注目されています。しかし、デジタルツインの推定結果をリアルタイムで制御に反映するためには、工作機械のセンサーや制御装置からの膨大なデータの取得、高精度な加工誤差推定モデルの構築、誤差を補正するリアルタイム制御の3要素を同時に実現する必要があります。一方で、工作機械に内蔵されるCNC装置は処理能力やメモリー容量に制約があるため、データ選別などの機能を備えた高精度なモデルを搭載することが難しく、デジタルツインを用いたリアルタイム制御実現の課題となっていました。
今回、当社は、デジタルツイン構築技術に強みを持つアーヘン工科大学との共同研究※3の成果として、CNC装置上で加工誤差を高精度かつリアルタイムに推定し、その結果を工作機械の制御に反映するデジタルツイン技術を開発しました。本技術は、軸位置や電流、切削力などの膨大なデータを高いサンプリングレート※4で取得し、その中から加工誤差推定に必要な情報のみを精緻に抽出して、最小限の計算式で構成したコンパクトな物理モデルを組み込む独自の設計手法を採用しています。これにより、CNC装置上でのリアルタイム動作を実現し、工作機械の構造部の変形によって生じる加工誤差を最大で50%低減できることを確認しました。本技術により、切削加工における不良品低減や品質安定化を実現し、生産性向上と環境負荷の低減に貢献します。
- ※1
コンピューターを用いて工作機械の動作を数値制御する装置
- ※2
アーヘン工科大学が保有する当社製CNC装置を搭載した検証用工作機械での実験結果
- ※3
Online edge computing with High-speed Processing Unit(2023年4月~2026年3月)
- ※4
センサーや計測装置が1秒間に何回データを取得するかを表す指標
お客様からのお問い合わせ先
- 三菱電機株式会社 先端技術総合研究所
- 661-8661 兵庫県尼崎市塚口本町八丁目1番1号
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