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RD No.2615

東京科学大学とケミカルルーピング方式CO2還元反応モデルを構築し高速化に成功

CO2の資源化に向け、高効率なCCUシステムの社会実装に貢献
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CO2還元反応モデル

 三菱電機株式会社は、国立大学法人東京科学大学(以下、Science Tokyo)環境・社会理工学院 融合理工学系 エネルギー・情報コース 大友 順一郎教授らと共同で、ケミカルルーピング方式におけるCO2還元反応モデルを構築し、反応の高速化に成功しました。ケミカルルーピング方式とは、酸素キャリア※1を介して二酸化炭素(CO2)を一酸化炭素(CO)に変換する還元※2反応と酸化反応を別々に繰り返し行う方式です。当社はScience Tokyoとともに、今回の成果を活用し、CO2を循環利用できる資源へと転換する、高効率なカーボンリサイクルを目指します。

 近年、政府の「2050年カーボンニュートラル」宣言の実現に向け、CO2を排出削減の対象とするだけでなく、回収して資源として再利用するCCU※3技術への期待が高まっています。このような中、当社とScience TokyoはCCUシステムの構築を目指し、2025年2月からケミカルルーピング方式によるCO2還元技術の実証試験※4を進めてきました。同方式では、酸素キャリア粒子に含まれる鉄などの金属がCO2と接触した際、酸素(O)を粒子中に取り込むことで、CO2をCOに還元します。しかし、従来の同方式では鉄などの金属表面が酸化して活性が低下することでCO2還元反応速度が遅くなるため、レアアースなどの高価な重要鉱物を担体※5に添加して反応速度の低下を補っていました。また、レアアースなどの使用がコスト増加や資源調達における地政学リスクにつながり、CCUシステムの社会実装を妨げる要因となっていました。

 この課題に対して、当社とScience Tokyoは反応金属そのものではなく、担体が反応にどう関与するかに着目しました。Science Tokyoが保有する材料科学の知見を活用することで、イオンと電子の両方を運べる性質を持つ鉄置換チタン酸カルシウム(CTFO)を担体として適用した反応モデルを構築し、レアアースなどの重要鉱物を添加しなくても、反応温度800℃においてCO2還元反応速度を従来比1.8倍に向上させることに成功しました。高い反応速度は、単位時間あたりのCO2処理能力の増加につながるため、装置の小型化や設備コストの低減、運転効率の向上が期待できます。また、レアアースなど重要鉱物に依存しない材料設計は、コストだけでなく、資源による制約や地政学リスクの低減にもつながります。

 当社は、Science Tokyoとともに今回の成果を活用してケミカルルーピング方式によるCO2還元などのCO2資源化技術の実証と改良を進め、エネルギー効率や時間当たりのCO2処理量などを反映した設計により、環境負荷が低く高効率なCCUシステムの社会実装を目指します。

 なお、本成果は、論文誌「Chemical Engineering Journal」にオンラインにて先行公開され、6月15日付のVolume 538に掲載予定です。


  • ※1

    酸素を運ぶための媒体となる物質

  • ※2

    物質から酸素が奪われる化学反応

  • ※3

    Carbon dioxide Capture and Utilization。工場などから排出されたCO₂を回収して、燃料や化学品、建材 などの製造に利用すること

  • ※4

    2025年2月19日広報発表https://www.MitsubishiElectric.co.jp/ja/pr/2025/pdf/0219.pdf

  • ※5

    反応を助ける金属などの活性物質を均一に広げて、他の物質を固定する土台となる物質

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