三菱電機グループでは、2020年からAIに関する倫理観の醸成のため「AIとともに生きる未来」について社内外のステークホルダーと議論する場を創出するAI SPECプロジェクトを推進しています。
AIガバナンス
三菱電機グループの責任あるAIへの活動
三菱電機グループは、たゆまぬ技術革新と限りない創造力により、活力とゆとりある社会の実現に貢献することを、企業理念として宣言しています。この理念にのっとり、AIの技術革新を通じて、社会課題を解決し持続可能な社会の実現に貢献します。三菱電機グループは、AIを開発・提供する者の責務として、利便性だけでなく安心・安全を考慮しAIを開発・利活用していきます。また、AIに関連する技術や社会の動向を踏まえて、多様なステークホルダーとの対話を通じて本ポリシーを進化させるとともに、人間中心のAI社会の実現に貢献することで、もっと素晴らしい明日を切り拓いていきます。
責任あるAIの推進体制
当社グループでは、2017年にMaisart®ブランドを立ち上げ、2021年12月にAI倫理ポリシーを公表しました。2025年6月に当社AI倫理ポリシーの考えに基づく「高リスク」なAI事業の基準類型を定め、当該類型に該当する事業については、リスクマネジメント部門において第三者視点でのリスク評価を行い、必要に応じて社外有識者の意見を取り入れた上で経営判断を行う体制を整備しました。AIの開発や当社内での利活用においては、コーポレート部門が事業部門及び研究開発部門を支援する体制を敷いています。
今後も人間中心で安心安全なAI社会の提供に向けて、AIの開発・利活用とリスク管理の両面から製品・サービスを提供していきます。
AIリテラシー教育の取組み
三菱電機グループでは、AIの開発・利活用に際して社員が高いリテラシーを保持するよう2022年度から社内の研修プログラムにAI倫理教育プログラムを導入しています。現在は、生成AIの利活用に向けて全社員のより一層のAIリテラシー向上のため研修プログラムの拡充を推進中です。
ステークホルダーとのコミュニケーション
当社のイベント施設(METoA Ginza*1)において、2023年12月から2025年4月まで展示していた「マンガ×AI 展」でも、AIに関する倫理感について検討を促すマンガを独自に制作し議論の場を創出しました。
今後も責任あるAIの開発・利活用について社内外とのコミュニケーションを活性化していきます。
- 1 METoA Ginzaは2025年8月4日をもって閉館しました。
信頼されるAIに関する研究開発
三菱電機グループは、安心してAIを利用できる社会の実現に向けて、AIの信頼性向上に関する様々な研究開発に取り組んでいます。
AIの動作を短時間で漏れなく検証する技術
三菱電機は、決定木アンサンブルモデルを対象とした「AIの動作を短時間で漏れなく検証する技術」を開発しました。本技術を活用することで網羅検証のサイクルを高速で循環させることができるため、AIの誤動作リスクを低減することが可能となります。
AIの信頼性を保証する技術
三菱電機とフランス国立デジタル科学技術研究所は、フォーマルメソッド技術と大規模言語モデル などの AI 技術とを組み合わせた、AI の出力結果の正確性を理論的に検証する技術の共同研究を実施しています。