日本国内の従業員を海外関係会社や海外ビジネススクール・大学・語学学校等に派遣し、語学力向上に加えて現地の事業運営や異文化での業務遂行・生活を体感・理解できるプログラムを実施しています。
グローバルスケールでの人財・組織マネジメント
人と組織がともに成長する人財・組織マネジメントの考え方
ありたい「人財ポートフォリオ」の実現に向けて
三菱電機グループでは、グループ・グローバルでの戦略的な人財・組織マネジメントへの変革を進めています。
現時点の人財やスキルを前提とするのではなく、経営や事業の将来的な目標からバックキャストする形で、必要となる人財の要件を定義し、人財の獲得・配置・育成をグローバルスケールで加速させています。
グローバルな戦略的人財配置・活用
三菱電機グループでは、グローバル・ジョブグレーディングを導入し、海外拠点を含むグループ内の重要ポジションの見える化を進めています。グループ内で経営幹部候補の人財プールを形成・人財把握し、重要ポジションへの配置やタフアサインメントを通じて、事業強化と人財育成を図っています。
海外関係会社の人財を三菱電機の常務執行役をはじめとした幹部ポジションに登用しており、今後も継続して戦略的な配置を推進していきます。
また、国籍や人種を問わず優秀な人財を適所に配置すべく、国をまたがった人財の活用に取り組んでいます。グローバル・モビリティ・ガイドラインに基づき、グループ内でのキャリア視野拡大、組織の多様化、グローバルでの人財配置をますます加速しており、海外関係会社の次世代人財育成では、グローバル拠点間で人財とジョブのマッチングを図る「Talent Mobility Program」を導入し、早期からグループ・グローバルでのキャリア視野拡大へつなげています。
なお、本国にいながら他国のグループ関係会社の業務に従事するバーチャル・アサインメントの仕組みを段階的に適用しながら、オンラインコミュニケーションを最大限活用したボーダーレスな組織運営にも取り組んでいます。
さらに、グローバルスケールで従業員が自律的にキャリア形成を行う機会を提供するグループ内転職制度「Global Career Passport (グローバル・キャリア・パスポート)」を2026年10月(予定)に導入します。当社および海外関係会社の求人情報を対象会社間で共有・公開して、従業員が自身のキャリア希望に基づいて応募することができる制度です。従業員一人ひとりの自律的なキャリア形成や自己実現を支援するとともに、グローバルスケールで多様な知見・ノウハウを持つ人財の配置・活用を加速します。
グローバル横断での人財戦略の推進・マネジメント体制構築
三菱電機グループの人財戦略をもとに、各地域(リージョン)の特性に応じた人財戦略や施策を担うRegional HR* Officeを2025年度に設置しています。三菱電機コーポレートHR、事業部門HR、関係会社HR、Regional HRが連携し、15万人の三菱電機グループの人財をグループ・グローバルで適正配置し、経営リーダーの育成、獲得、カルチャー変革等の様々な人事施策をグローバル最適で実現します。
- Human Resources
多様・多才な人財獲得に向けた採用競争力強化
三菱電機グループは、応募者に広く門戸を開き、本人の持つ適性・能力に基づく公正な採用選考を実施しています。また、応募者のキャリアニーズや専門性とのマッチングをより意識した採用活動を積極的に展開し、多様・多才な人財獲得に向けた採用競争力強化を図ります。
グローバルな人財獲得に向けた取組み
三菱電機グループの事業戦略に即応し、迅速かつ機動的に多様・多才な人財を獲得するためにグローバルレベルでのタレントアクイジション組織を設置し、Regional HRと連携して、三菱電機ならびに関係会社のグローバル採用力を強化しています。特に、AIや高度技術領域を中心に世界各地で優秀人財を獲得すべく、海外での採用セミナーや外国人学生を対象としたインターンシップ等に取り組んでいます。
また、三菱電機の新卒採用活動では、海外の大学に在学する日本人留学生を主な対象とした人財プールへのアプローチや、国内の大学に在学する外国人留学生を対象とした三菱電機の採用セミナーを開催し、国籍や人種を問わず多様・多才な人財の獲得に注力しています。
新卒採用におけるジョブマッチングの強化
三菱電機は、多様な専門性を持つ人財を確保し、個人のキャリア自律を支援するため、様々な採用コースや制度を展開しています。
事務系においては、採用内定後に適性や本人希望を踏まえて配属を調整する従来型の「オープンコース」に加え、スタッフ職種を対象に、応募者のニーズや専門性に応じて入社時の配属先職種をあらかじめ定める「職種確約コース」を展開し、継続的に採用しています。
技術系においては、事業領域・職種・勤務地等が異なるスペックの中から入社時の配属先をあらかじめ定める「配属先指定リクルート制度」を軸としています。さらに、より希少かつ高度な技術領域などにおいては、通常の新卒入社者よりも高い水準の処遇条件(給与・賞与)を提示可能とする「配属先指定リクルート制度PLUS」を展開し、専門性の高い人財の獲得を推進しています。
経験者採用の更なる拡大
多様な経験を活かして即戦力として活躍する人財の獲得に向け、様々な採用手法の活用により一定規模の経験者採用を継続的に実施しています。
従業員の紹介に基づく「リファラル採用」では、通常の転職市場ではアプローチできない潜在層の応募・採用につながっており、今後も拡大を目指していきます。退職者の再雇用を行うカムバック採用においては、実効性を高めるため、三菱電機とアルムナイ(退職者)との継続的なつながりを構築する「Re-MELCO~アルムナイネットワーク~」を運用し、再雇用機会を広く提供しています。
また、労働市場が激化するエンジニア領域を中心に、求職者へ直接アプローチする「ダイレクトリクルーティング」を強化し、優秀な人財の獲得加速を図っています。
あわせて、第2新卒採用の応募基準から「最終学歴卒業後3年以内」を廃止し、就労経験がある場合は、就労期間の長短を問わず、求職者が自身のキャリア志向に合わせて「第2新卒採用」か「経験者採用」のいずれかを自由に選択できるよう応募基準を拡大しています。
経営・事業戦略実行をけん引する人財の創出
経営リーダーの選抜・育成・評価
三菱電機では、次世代を担う経営幹部をグローバルスケールで育成・輩出するために、「L.E.A.D*制度(経営幹部候補者育成制度)」に取り組んでいます。そのタレントプールである「L.E.A.D500」には多様な経験・バックグラウンドを有する経営幹部候補者をグループ内外から選抜し、タフアサインメントを目的とした配置転換や、Off-JT(社内外トレーニング)、経営幹部によるコーチングを実施しています。
選抜・育成・評価については、CEO、CDO、CHRO、CSO、ビジネスエリアオーナーで構成するトップタレントレビュー委員会で議論を行い、決定・実行することで、「オープンな人選」・「適切な機会(配置・研修)付与」・「アセスメント・モニタリング」のサイクルを確実に回しています。
また、2025年度からは、未来のCEO候補人財育成のためのエリートプログラム「Executive Seeds 30」を開始しています。本プログラムでは、次世代経営層候補人財(約300名)の中から、未来のCEOになり得る素養を持つ若手人財約30名をトップタレントレビュー委員会で選抜し、国内外関係会社の経営者ポジションを含むCEO候補人財として経験すべきポジションへのアサインメントや、手挙げ式による海外ビジネススクールへの派遣、トップタレントレビュー委員や現役役員によるメンタリングなど、重点的な教育を実施することで、経営リーダーにふさわしい視座・視野を養成します。
これに加え、2026年度からは、次世代経営層候補人財向けジョブポスティング制度「Proactive Frontier Posting」を開始します。本制度では、当社グループにおける一部の課長級・部長級管理職ポジションを次世代経営層候補人財に公開・募集を行い、アサインすることで、能力と意欲ある人財の自律的な挑戦機会を創出します。ポジションの公開にあたっては、ジョブディスクリプション(職務記述書)を基にジョブグレードや報酬水準も含めた求人情報を作成し、求められる能力や職務の難易度などを公開することで、応募者個人の自律的な能力開発、キャリア開拓を促進します。
社内での研修は特定の事業本部や事業所にとらわれず様々な交流を企図しているほか、グローバルの観点からこのような研修機会において日本国内の従業員と海外関係会社従業員とが交流して、ネットワーク構築ができるようにしています。さらに、国内外のビジネススクールや社外研修への積極的な派遣等も含めて様々な経営幹部候補育成プログラムを展開しています。
- Leadership Enhancement And Development
L.E.A.D制度(経営幹部候補者育成制度)
日本国内従業員のグローバル化
特に、海外関係会社へ1年間派遣する海外OJT制度は、約50年にわたりグローバル人財を養成してきました。従来のプログラムでは異文化体験・語学力習得に比重を置いてきましたが、現地での業務遂行を通じてより深い海外業務経験を付与するべく制度を見直し、2026年度からG-OJT(Global-On the Job Training)制度を導入します。実務に即したプログラムの運営を通じ、将来にわたりグローバルで活躍できる人財の育成を強化していきます。
海外OJT制度の派遣者数推移
海外関係会社従業員の幹部登用・育成の推進
海外関係会社では、地域に根付いたオペレーション強化及び従業員エンゲージメント向上を目的として、育成を通じたキャリア形成やサクセッションプランの策定など、育成・配置を有機的につなげることで、優秀な海外関係会社従業員の幹部登用を推進しています。
また、各社、各地域における育成施策に加え、三菱電機が主体となり日本国内での研修も実施しています。具体的には、海外関係会社の従業員が日本の事業所で技術・技能を身に付けてもらうための研修・OJTを実施しているほか、2026年度からは、将来の経営幹部候補層になり得る優秀人財の育成において、国をまたがるアサインメントに加え、グローバルレベルのリーダーシップを習得する研修(GVP*1)を導入します。
なお、海外関係会社から選抜された役員・管理職層が三菱電機本社に集まり、三菱電機グループの経営方針や事業戦略の理解に加え、グローバルリーダーとして必要な知識やマインドセットを習得してもらうための研修(MGEP*2、GMW*3)も継続して実施しています。海外から研修に参加する中で、参加者自身の成長だけではなく、他の経営幹部候補者との交流を通して三菱電機グループとしての一体感の醸成や人的ネットワークの構築ができ、そのネットワークは国境を越えてグローバルでつながっています。過去の幹部候補研修参加者から海外関係会社の幹部ポジションに登用した事例も出ており、今後も継続して海外関係会社従業員の育成・配置を有機的につなげ、更なるグローバル人財の育成・活用を図っていきます。
GMW研修の様子(2025年度実施)
海外からの日本国内研修参加者数の推移
| 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | 2025年度 | 累計(開始以降) | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| MGEP | 18名 | 15名 | 実施なし | 15名 | 実施なし | 68名 |
| GMW | 中止 | 30名 | 27名 | 30名 | 25名 | 320名 |
- 1 Global Vanguard Program
- 2 Mitsubishi Electric Global Executive Program
- 3 Global Management Workshop(上記2、3は年度によっては日本国内の選抜人財も1〜3名参加)
DX・AX人財の強化
三菱電機グループでは、Serendie事業推進のためのDX・AX人財を2030年度までにグループ全体で2万人確保することを目指し、人財の獲得やM&Aによる拡充に併せ、事業戦略に基づく着実な人財育成の強化を図っています。2025年4月、三菱電機グループ内の従業員を対象とした体系的な育成機関「DXイノベーションアカデミー」を設立しました。2025年度は約1,100名、2026年度はその3.5倍を超える応募が全社からあり、3,500名超が受講中です。
「DXイノベーションアカデミー」では、三菱電機グループにおけるDX・AX人財のスキルセット*に基づき、それぞれに必要な技術・知識・マインドセットを集中的に習得し、実践に活かすことができる学びの場を三菱電機グループ内へ提供します。社内外講座を組み合わせた段階的な学習体系を整備するとともに、スキル・能力の社内認定制度などにより、既存のDX関連技術保有者及びDX関連業務従事者だけでなく、他業務からの職務転換者や新規入社者など、個々人の保有するスキルや知識レベルに応じた幅広い層の人財育成を推進します。三菱電機グループの全従業員を対象とした講座も設け、グループ一体となってDXを推進する風土を醸成します。
加えて、最新技術の集中的な獲得・実践、新たな人財交流などの確立を狙いとして、大学等の教育機関との産学連携も進めており、2025年度に早稲田大学との間で、DX人財育成における産学連携に関する協定を締結しました。「DXイノベーションアカデミー」における講座として早稲田大学の教育プログラムを活用するとともに、その成果を早稲田大学における社会人及び学生向けデータ科学教育プログラムにフィードバックして発展させていくことで、共に価値の向上を図る産学共創スキームの構築を目指します。
- 職務ごとの特性や要件を明確にする「ジョブ」の概念
三菱電機グループ向け「DXイノベーションアカデミー」の概要
グループ・グローバルでの評価・報酬制度
三菱電機グループでは、グローバルスケールでの人財・組織マネジメントを強化する観点から、評価・報酬制度についてもグローバル・ジョブグレーディングを基盤に、グループ共通の制度運営を推進しています。
国内関係会社では、2026年度に役員報酬制度を改定し、グループ共通のジョブグレーディングに基づき、報酬を決定する仕組みへ移行しています。
また、海外の関係会社においても、グループ共通ガイドラインに基づく運営の拡大を進め、グループ・グローバル全体での人的資本の価値向上と組織パフォーマンスの向上を図っていきます。
インセンティブ制度の新たな導入(経営幹部への株式付与)
役員に準ずる当社幹部層等への経営参画意識向上を目的とした株式交付制度を2026年度に新たに導入しています。
当該制度の導入により、グループ全体の中長期的な業績と企業価値向上に対する貢献意欲の促進ならびにロイヤルティ(帰属意識等)の向上を図ります。