池田興業株式会社 様
2026年6月
複雑な就業要件にカスタマイズで対応し
全国20支店の就業管理システムを段階的にリプレース
支店ごとに異なっていたシステム運用を統一
目次
池田興業の大阪本社
物流サービスを中心に、各種プラントの建設・メンテナンスやオーダーメイドの業務請負など、幅広い事業を展開する池田興業株式会社。同社は、三菱電機デジタルイノベーション株式会社が開発・販売する就業管理システム「ALIVE SOLUTION TA」を導入しました。事業の多角化による複雑な就業要件にもカスタマイズで対応し、実運用に即したシステムを構築。さらに、就業規則や手当項目の見直しを併せて行うことで、全社統一の運用を実現するとともに、属人化を解消し、管理業務を効率化しました。
多様な事業と就業要件により支店の就業管理業務が複雑化
1904年(明治37年)に北九州の門司で創業した池田興業は、120年以上の歴史を誇る総合物流・プラントソリューション企業です。全国を4つのエリアに分割したブロック制を導入し、国内30拠点で地域に密着した様々な業種を展開しています。業種展開の背景について、常務取締役 人事部長の稲田浩氏は次のように振り返ります。
「主要顧客である化学メーカーの事業拡大に伴い、工場建設から工場内での業務請負(アウトソーシング)、倉庫管理、貨物輸送、設備設置、メンテナンスまで一貫して対応してきました。顧客の全国展開に併せて拠点を拡大し、各工場の業務に併せてきめ細かく対応しています」
一方で、顧客ニーズに応じた業種展開は、就業管理の複雑化をもたらしました。業種・職種・地域ごとに勤務形態や賃金体系が異なり、同社のような複数の業務を担う企業では、その違いがより顕著になります。
「賃金体系も支店ごとに異なる場合があり、極端に言えば“別会社のような状態”でした。そのため、管理部門の担当者は転勤のたびに各支店の就業規則や賃金体系を覚え直す必要がありました」(稲田氏)
現場の就業管理も属人化が進んでいました。顧客工場で働く支店の従業員やドライバーの勤怠は、支店の管理担当者が紙の日報をもとに集計し、システムに手入力していました。管理方法も担当者によって異なり、日報を見ながら入力する担当者もいれば、Excelで1ヵ月分の出勤簿を作成してからまとめて入力する担当者もいました。
さらに、以前の就業管理システムは10年以上前に導入したもので、度重なるカスタマイズで複雑化が進んでいました。人事部人事課 課長の中谷伸哉氏は「各支店の就業規則や賃金体系に合わせて改修を繰り返した結果、支店ごとに個別最適化が進み、全社として統一性を欠いた状態で運用されていました」と振り返ります。
常務取締役
人事部長
稲田 浩氏
人事部 人事課
課長
中谷 伸哉氏
企画部 情報室
主務
田中 諒氏
既存の運用方法に合わせたカスタマイズ対応を評価
こうした課題を抱える中、同社は既存システムのサポート終了を機に新規システムの導入を検討し、「ALIVE SOLUTION TA」を採用しました。最大の決め手は、現行の運用に柔軟に対応できるカスタマイズ性にありました。
「将来的には全社統一の運用を目指しましたが、一度にすべてを変えることは困難でした。標準機能への適合を重視するベンダーが多い中、三菱電機デジタルイノベーションの提案は、カスタマイズを前提とした柔軟性の高いものでした」(稲田氏)
同社では、作業スタッフやドライバーはPCを使用しないため、管理者がまとめて入力する運用を採用しています。その前提を踏まえてシステム要件を検討しました。企画部 情報室 主務の田中諒氏は次のように語ります。
「三菱電機デジタルイノベーションとは、物流の2024年問題への対応に向けて、2022年にシステム改修を検討した経緯がありました。その時は実現に至りませんでしたが、そこでの経験があったため、スムーズに内容を精査することができました」
プロジェクトは2024年10月にキックオフ。全社の就業規則を整理しながら、既存の運用を大きく変えることなくシステム化することに注力しました。
「現場の管理担当者からは“入力画面を変えないでほしい”という強い要望がありました。そこで、日報で集めた数十人分の就業実績を入力する際、1人ずつ画面を切り替えるのではなく、連続して入力できる仕組みを実装しました」(田中氏)
さらに、ドライバーの運行距離と労働時間を連動させ、シフトを設定した時点でみなし残業時間(残業時間、深夜時間、日当)を自動計算する機能を新たに追加しました。加えて、入力画面でのシフト変更と振替休暇の簡易入力変更機能、タブ切り替えによる複数従業員の連続入力など、実務に即したカスタマイズを実現しました。
全国20の支店への展開は、段階的に進めました。まず、建設・輸送・倉庫・請負といった主要業態が揃い、要件定義を先行していた宇都宮支店をモデル拠点として導入。その後、関東・東北、関門・山口、中・四国、関西・中部とブロック単位で展開し、2026年6月までに完了しました。
「最初の宇都宮支店で安定稼働を実現できたことで、自信を持つことができました。全国展開にあたっては、各支店の要望を踏まえつつ、宇都宮支店に導入した基本モデルから大きく逸脱しないことを意識しました。個別改修ではなく運用の工夫でカバーする方針を徹底した結果、最小限の調整で展開することができました」(中谷氏)
三菱電機デジタルイノベーションの支援に対しては、現場に寄り添った対応が高く評価されています。中谷氏は「当社の事情を深く理解し、実現可能な形に落とし込んでいただきました」と語ります。田中氏も「同じ担当者に最初から最後まで一貫して対応いただいたことで、安心して取り組むことができました。急な要望にも柔軟に対応いただき感謝しています」と振り返ります。
効率的なステップ導入
属人的な管理業務を改善し労務管理の高度化を実現
ALIVE SOLUTION TAにより構築した新たな就業管理システムは、20支店・約1,200名の従業員の管理で活用されています。
「現場の管理者からは“想像以上に使いやすい”という声が多く、順調に切り替えが進んでいます」(中谷氏)
導入により、従来の課題であった属人化の解消も進みました。宇都宮支店に導入したシステムをベースにしているため、管理担当者が他支店に異動しても戸惑うことはありません。
また、新たに追加した法令遵守機能により、労務管理の高度化も図られました。従来は複数システムを組み合わせて確認していた残業超過なども、現在は必要なデータがシステム内に集約され、一目で判断ができます。さらに、打刻システムとの連携により、客観的な労働時間との比較も容易になりました。
制度面でも対応が進み、有給休暇の時間単位取得が新たに導入されました。今後予定されている法定休日の特定に対しても、先行してシステム対応を行っています。
「今回のプロジェクトは、単なるシステム更新にとどまらず、法令遵守や就業管理を見直す契機となりました。コンプライアンスの強化や従業員満足度の向上にもつながっています」(稲田氏)
労務管理の高度化に向けて給与・人事を含めたシステム統合を検討
今後は、今回の就業管理システムのリプレースを皮切りに、人事・労務領域全体の高度化を進めていく構想です。
「将来的には就業だけでなく、給与・人事なども含めたシステムを統合し、一元化のメリットを活かしていきたいと考えています。その際、ALIVE SOLUTIONは有力な選択肢になると考えています」(中谷氏)
さらに、将来を見据え、AIやデータの活用にも取り組んでいく方針です。
「労働人口が減少する中、デジタル活用は不可欠です。今回の導入をDXの第一歩と位置付け、生成AIなども含めて、業務効率化と価値創出を目指していきます」(稲田氏)
池田興業株式会社は、120年以上にわたり培ってきた現場力を強みに、これからも事業を通じて社会の発展に貢献していきます。
導入サービス・製品
「ALIVE SOLUTON TA」は、従業員の労働状況を正確に把握し、法令順守をサポートする就業システムです。
池田興業株式会社
福岡県北九州市門司区大里本町2-2-5