Workivaは財務・非財務情報を統合し、開示プロセスを効率化・自動化するクラウド型レポーティングプラットフォームです。
ビジネスレポート
2026年9月
ESGデータプラットフォーム「Workiva」・GHG排出量データ一元管理ソリューション「cocono」
ESGデータの収集・管理から情報開示まで
支援する「Workiva」と「cocono」
目次
ESGデータプラットフォーム「Workiva」・
GHG排出量データ一元管理ソリューション「cocono」
2027年3月期から、一定規模以上のプライム市場上場企業を対象に、SSBJ基準に基づくサステナビリティ情報の開示が段階的に始まります。これに伴い、環境・社会・ガバナンス(ESG)に関するデータを、社内の様々な部門や拠点から収集し、適切に管理する仕組みづくりが重要になっています。そこで三菱電機デジタルイノベーション株式会社では、ESGデータの収集・管理から情報開示まで支援する「Workiva(ワーキバ)」と、温室効果ガス(GHG)排出量データの収集・算定を支援する「cocono(ココノ)」を提供しています。この二つのソリューションを組み合わせることで、SSBJ対応に向けた業務を効率化するとともに、収集したデータをサステナビリティ経営にも活用することを目指しています。
SSBJ対応の鍵となるESGデータの収集・管理
SSBJ基準に基づくサステナビリティ情報の開示が段階的に始まる中、企業には、環境・社会・ガバナンス(ESG)に関する情報を、正確かつ効率的に収集・管理することが求められます。特に重要になるのが、開示する情報の元データをどのように集め、管理するかという課題です。
財務データがERPなどの基幹システムで管理されているのに対して、ESGデータは工場や部門ごとに個別管理されているケースが少なくありません。特に製造業では、国内外の拠点によって利用するシステムやデータ形式が異なることもあり、全社横断でデータを集め、同じ基準で扱うことが難しくなっています。
こうした課題に対応するのが「Workiva」と「cocono」です。Workivaは、ESGデータを含む財務・非財務情報を一元管理し、データの収集・蓄積から情報開示までを支援するソリューションです。一方、coconoは、環境領域に特化し、現場ごとに異なるシステムからデータを自動収集・加工し、GHGプロトコルに準拠および企業独自ロジックに沿ってGHG排出量を算定します。
Serendie事業本部 インダストリー事業統括部 INシステム第二部 第一課の竹入和樹氏は「coconoで収集・算定したデータをWorkivaと連携することで、環境データの入力負荷を軽減しながら、ESGデータ全体の管理から開示、第三者保証までをシームレスに支援します」と語ります。
ESGデータを一元管理し開示業務を効率化する「Workiva」
Workivaは、米国Workiva社が提供する財務・非財務情報の開示やガバナンス管理を支援するプラットフォームです。三菱電機デジタルイノベーションは、2025年にWorkiva社とパートナー契約を締結し、三菱電機グループへの導入を開始しました。
「Workivaは、ESG全領域をカバーできることに加え、Excelライクな操作性、標準化されたデータモデル、導入・運用のしやすさなどを総合的に評価して採用しました。非財務情報の開示において、第三者保証が義務化される中、監査・保証に必要なデータや証跡を管理できる点もWorkivaの強みです。現在、Fortune500企業の85%以上がWorkivaを採用しています」(竹入氏)
Workivaは、ESGデータの収集・管理だけではなく、レポーティング、開示、そして内部統制・監査、保証対応までを一つのプラットフォームでつなげられることが特徴です。これにより、転記ミスや数値不整合を防止し、誤開示リスクを低減します。Serendie事業本部 インダストリー事業統括部 INシステム第二部 第一課の田中和氏は、Workivaのメリットを次のように語ります。
「有価証券報告書と同時期の開示が求められるなど、限られた期間で効率よく開示業務を進めることが重要になっています。Workivaなら、開示の信頼性向上と開示業務の効率化を同時に実現できます」
導入に当たっては「Fit to Standard」の考え方を取り入れています。標準的な機能に業務を合わせることで、導入や運用をシンプルにする考え方です。SSBJへの対応についても、専用テンプレートを活用することで、要件整理がスムーズに進み、導入工数を削減することができます。
「当社の強みは、テンプレートを用いた独自の導入方法論を持っているほか、ユーザー管理や権限設定など導入後の運用・保守まで一貫して対応できる点にあります。また、外部のBIツールと連携したダッシュボードの構築も支援しています。拠点別・地域別など様々な切り口でESGデータを可視化することで、サステナビリティ経営にも活用していただけます」(田中氏)
写真左からインダストリー事業統括部 INシステム第二部 第一課 田中 和 氏、同 竹入 和樹 氏、インダストリー事業統括部 統括部長(理事) 武内 国博 氏、インダストリー事業統括部 INシステム第二部 第一課 常山 菜美 氏
GHG排出量データの収集・算定を効率化する「cocono」
coconoは、三菱電機デジタルイノベーションが独自に開発し、2023年に提供を開始したGHG排出量データの一元管理ソリューションです。企業では、GHG排出量を算定するために、様々なシステムや現場からデータを収集する必要があります。coconoは、ERPや製造現場のシステムなどから必要なデータを収集し、排出量の算定に適した形に自動で変換・統合することで、データ収集業務を効率化します。
coconoは、提供開始後もお客様の声を取り入れながら機能を強化してきました。例えばデータ変換やフォーマット統一などの設定を、ユーザー自身で行える機能です。Serendie事業本部 インダストリー事業統括部 INシステム第二部 第一課の常山菜美氏は「本GUI機能を活用することで、算定ロジックの理解だけでなく、coconoへインポートしたデータ形式の閲覧や、算定に適した形へ加工する処理までの理解を深めることにつながると考えています」と説明します。
また、排出量の算定に使用する排出係数データベース「IDEA」にも対応しました。「従来は環境省が公開する無償のデータベースを利用していましたが、より細かな排出係数を使いたいという要望を受け、有償版の「IDEA」も活用いただけるよう機能追加しました」(常山氏)
さらに、coconoで収集・算定したデータを、排出量削減の取り組みに活用することも目指しています。
「排出量が多い工程や設備を特定した上で、三菱電機グループが持つ省エネ設備やエネルギーマネジメントシステムなどと組み合わせ、排出量の削減まで一貫して支援いたします」(常山氏)
現在、三菱電機へのcocono導入も進めています。今後は、三菱電機グループへの導入で得られた知見を生かし、GHG排出量の可視化が急務となっている自動車部品メーカーを中心に製造業向けに展開を広げ、サプライチェーン全体の排出量削減を支援していく計画です。
Workivaとcoconoの連携イメージ
ESGデータを経営に生かすデータ基盤へ
今後は、WorkivaとcoconoによるESGデータ管理基盤の整備を進めるとともに、AIを活用したさらなる業務効率化にも取り組んでいきます。
「これまでのルールベースの仕組みから、AIを活用した高度なソリューションへ進化させることで、ESGデータ管理のさらなる効率化と高度化を目指します」(竹入氏)
さらに、将来的には、情報開示やデータ分析のためにデータを収集・管理するだけでなく、経営改善につながる施策を提案するコンサルティングサービスへの発展も見据えています。
その先にあるのが、三菱電機グループが推進するデジタル基盤「Serendie」を中心としたデータ活用です。Workivaやcoconoで収集・管理するESGデータに加え、ERPなどの様々なデータを組み合わせることで、製造現場や経営に新たな価値を生み出すことを目指します。Serendie事業本部 インダストリー事業統括部 統括部長の武内国博氏は次のように語ります。
「ERPやMESで管理するデータに加え、IT・OT、セキュリティー、非財務情報など多様なデータを統合・分析し、三菱電機グループに最適なソリューションや製品を提供することを目指しています。さらに、そこで得られた知見をお客様に展開することで、継続的に価値を生み出す循環型のサービスモデルを構築し、サステナビリティの実現に貢献していきます」
三菱電機デジタルイノベーションは、Workivaとcoconoを起点に、ESGデータの収集・管理から経営への活用までを支援し、データを起点としたサステナビリティ経営の実現に貢献していきます。
サービス・製品
企業のカーボンニュートラル推進の基盤として、サプライチェーン全体のGHG(温室効果ガス)排出量を見える化し、改善に向けた「気づき」が得られるクラウドサービスです。