三菱電機グループが持つ先進技術・環境技術を駆使し、安全性・快適性・効率性・環境のすべてにおいて、お客様にご満足いただけるソリューションを提供します
ビル内の縦の交通機関であるエレベーター・エスカレーターやビルマネジメントシステムを扱うビルシステム事業本部は、製品の納入とその後の保守において、常にお客様の安全・安心を最優先とした事業運営に努め、我々の製品・サービスを通じて快適で持続可能な社会を実現することが重要な使命であると考えています。この認識のもと、当事業本部では次の取組みに注力します。
- 1.人と環境に配慮した製品を追求
- (1)誰もが安心して容易に利用でき、かつ高効率で省資源の製品・技術・サービスの開発を推進します。
- (2)既設品のリニューアルを推進し、消費電力の低減や安全性・利便性の向上を図るとともに、一部機器を流用することにより廃棄物排出量の抑制に貢献します。
- 2.ZEB※1ワンストップソリューションの提供
ZEBプランナー※2として、ZEBの設計支援から運用開始後の省エネ支援サービスまでをワンストップで提供するだけでなく、エネルギー効率化にとどまらないビルの付加価値向上に向けた取組みをサポートします。※1省エネと創エネを組み合わせて正味(ネット)のエネルギー消費量をゼロとする建築物。
※22017年より経済産業省がZEB普及のために設定した登録制度。
- 3.スマートビル※3・スマートシティ※4の実現に貢献
当社独自のIoTプラットフォームを活用したビル運用支援サービスの提供により、スマートビル・スマートシティの実現に貢献します。※3IoT技術を用いて収集した様々なビル内データを活用し、省エネ/省力化などに向けて社会課題を解決しながら、人が安心して過ごせる空間や効率的に働ける職場、快適に感じる環境などを提供できるビル。
※4設備・環境・消費者行動データ等から生成したビッグデータをAIで分析し、設備・機器等を遠隔制御することで、都市インフラ・施設運営業務の最適化や企業や生活者の利便性・快適性向上を目指す都市。
リスク・機会を認識・評価している主な社会課題 | 重点的に取り組むSDGs |
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リスク・機会を認識・評価している主な社会課題 |
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重点的に取り組むSDGs |
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事業を通じた社会課題への取組み
エレベーターで快適、安全・安心な移動とスマートビルの実現に貢献
国内標準形エレベーター「AXIEZ-LINKs(アクシーズ リンクス)」
2020年10月に発売した国内標準形エレベーター「AXIEZ-LINKs」は、新たに、運行効率や快適性を向上する「人とつながる機能」や、エレベーターとビル内設備が連携する「建物とつながる機能」、複数ビルのエレベーターを一括管理する「街とつながる機能」を搭載することで、スマートビルの実現に貢献します。
「人とつながる」では、三菱電機のAI技術で予測したビルの人の流れに合わせて複数のエレベーターの運行最適化を実現。また、空気中の様々な物質を抑制する三菱電機独自技術「ヘルスエアー®機能※1」搭載の循環ファンや抗ウイルス仕様の押しボタンを標準装備するとともに、非接触対応ボタンやタッチレスでエレベーター操作を行う「スマートフォンサービス※2」に対応し、クリーンで快適な移動を提供します。加えて、4カ国語ガイド対応で、緊急時でも外国人を含む利用者へ安心を提供します。
「建物とつながる」では、太陽光発電や電気自動車からでも電力供給が可能な「マルチ電源」機能でBCP※3対策に貢献。独自IoTプラットフォーム「Ville-feuille(ヴィルフィーユ)※4」との接続で、警備・清掃・搬送などのサービスロボットとの連携を可能にし、ビル管理の省人化や密回避を支援します。
「街とつながる」では、ビル統合ソリューション「BuilUnity(ビルユニティー)※5」との連携により、複数ビルのエレベーターやビル設備の一括管理を実現。また、車いすが乗車可能な7人乗りのかご室を新たにラインアップし、バリアフリー対応を支援します。
※1空間に電界・放電空間を形成し、空気中に浮遊する様々な物質を抑制する当社独自技術。
※2別途、三菱電機ビルソリューションズ(株)との保守契約が必要です。
※3事業継続計画(Business Continuity Plan)
※4ビル内のデータを吸い上げ蓄積し活用できる当社独自のIoTオープンプラットフォーム。
※5設備監視・制御と入退室管理や映像監視などのセキュリティーを一括管理するビル統合ソリューション。
海外標準形エレベーター
海外向けの標準形エレベーター「NEXIEZ(ネクシーズ)」において、永久磁石式モーターを用いたギアレス巻上機を採用し、消費電力を従来比20%削減するとともに、小型・軽量化を実現しています。また、回生コンバーターでの回生電力の活用や、かご室内のLED照明の採用などにより、消費電力を更に削減することもできます。環境意識の高い欧州へは、中低層オフィスビルや集合住宅向けに、省スペース化・環境負荷低減を実現した「MOVE(ムーブ)」を投入、また、停電の多いインド向けの「NEXIEZ-LITE(ネクシーズ ライト)」は、停電でエレベーターの中に閉じ込められた場合、自動的にエレベーターの状態を確認し、バッテリーで速やかに最寄り階へエレベーターを着床させる機能を標準装備するなど、地域のニーズに対応しています。
防災管理機能
地震や火災、豪雨による浸水などへの備えとして、各種災害に対応した「防災管理機能」をエレベーターに搭載しています。例えば地震対策として、大きな揺れがくる前の初期微動(P波)をセンサで感知した場合や、気象庁から配信される緊急地震速報により大きな揺れを予測した場合は、かごを最寄り階に停止させ、エレベーター内に閉じ込められるリスクを低減します。また、保守メニューの地震時エレベーター自動診断復旧システム「ELE-Quick」は、地震時管制運転装置により休止させたエレベーターについて異常の有無を自動診断し、安全と判断した場合は運転を再開、早期の利用を可能にします。
セキュリティー連動・エレベーター行先予報システム「エレ・ナビ」
エレベーターの利用者がセキュリティーゲートを通る際、社員証などのIDカードのセキュリティー情報から行先階を自動登録します。さらに、どのエレベーターに乗車すればよいかをセキュリティーゲートの表示器で知らせます。これにより、エレベーターホールやエレベーター内でボタンを押す必要がなくなり、また、利用者を行先階ごとにまとめることで停止する階を最小限にできます。出勤時などの特に混雑する時間帯における乗車時間の短縮、輸送効率向上により、エレベーターホールでの混雑が緩和されます。
メンテナンスサービスによるエレベーター・エスカレーターの安心・快適な利用のサポート
リモートメンテナンスサービス「ELE FIRST - smart(エレファースト スマート)」
「ELE FIRST - smart(エレファースト スマート)」(対象:三菱機械室レス・エレベーター「AXIEZ-LINKs(アクシーズ リンクス)」は、エレベーターの日々の運行データを蓄積し、機械学習により機器の劣化を予測して最適なタイミングでメンテナンスを行っていくほか、遠隔からの閉じ込め時の迅速な救出や自動診断機能による地震時の早期復旧等をより一層強化します。さらに、エレベーター所有者の維持管理や利用者の利便性を向上する最適な情報や機能を提供するサービス(スマートフォンサービス等)により、“止めない、止まらないエレベーター”と“いつでも「つながる」エレベーター”を実現します。
「遠隔閉じ込め救出」は、万が一の閉じ込めが発生した際、情報センターへの自動通報、エレベーターの状況分析を実施。遠隔から救出可能と判断した場合は、スタッフがエレベーター内のインターホンによる通話とカメラで状況を確認した後、遠隔操作により利用者の早期救出を図ります。
「地震時エレベーター自動診断&復旧システム「ELE-Quick(エレクイック)」」は、地震時管制運転にて休止させたエレベーターを、自動診断運転にて異常の有無を確認し、安全と判断した場合は運転を再開、早期の利用を可能にします。
「スマートフォンサービス」は、スマートフォン専用アプリの事前設定により、乗場のボタンやかご内の行先ボタンに触れずにタッチレスでエレベーターを操作することができます。
※本サービスをご利用いただくには、三菱電機ビルソリューションズ(株)との契約が必要となります。
エレベーターのグローバル遠隔保守サービス「M’s BRIDGETM(エムズブリッジ)」
拡大する世界の昇降機市場では、利用者の安全だけでなく、利便性・快適性に対する要求が高まっており、それらを支える保守サービスの重要性が注目されています。「M’s BRIDGE」は、三菱電機独自のIoTプラットフォームを活用し、遠隔で故障を自動検知し、収集した故障データを遠隔で解析、原因究明することで、エレベーターの早期復旧を実現し、利用者の安全・安心、利便性の向上に貢献します。また、遠隔点検データの活用により、エレベーターの故障を未然防止するとともに、高品質で効率的な保守サービスを提供します。
エレベーター・エスカレーターのリニューアルによる安全性・快適性・機能性の更なる向上
エレベーターリニューアルメニュー「Elemotion+(エレモーション・プラス)」
安全・安心、快適にお使いいただくために、適切な時期※1でのリニューアルが求められます。「Elemotion+」は、既設のロープ式エレベーターを、永久磁石式モーターを用いたギアレス巻上機とインバータ制御を搭載した最新機種にリニューアルするメニューです。戸開走行保護装置※2や最新の耐震基準に沿った機器の採用で、より安全で安心に、かつなめらかで快適な乗り心地を提供します。さらに、予算や工期など、お客様のご要望に応じて、機器の取り換え範囲を選択することができ、廃棄物重量の削減にも貢献しています。
これらに加え、「Elemotion+[ZERO](エレモーション・プラス[ゼロ])」では、リニューアル工事中の連続停止期間0日化を実現しました。お客様がリニューアル計画を立てやすいよう配慮することで、より一層のリニューアル促進を図っています。
※1竣工後25年を目安と考えています。
※2制御回路やブレーキに異常が発生した場合でも、ドアが開いた状態でのエレベーターの昇降を防止する装置
エスカレーターリニューアルメニュー「Esmotion+(エスモーション・プラス)」
エスカレーターについても、安全・安心にお使いいただくために、適切な時期※でのリニューアルが求められます。「Esmotion+」はエスカレーターをインバータ化にリニューアルすることで、最新の安全対策でより安心して利用することができます。安全装置作動時や非常停止スイッチが押された時には、転倒や落下を減少させるため緩やかに停止しますが、「挟まれ検出」時には即座に停止させるなど、「緩やかに停止」と「即座に停止」を使い分け、緊急時の安全性を向上しています。インバータ化は、高齢者やお子様の乗り降りにやさしい、ゆっくりとした速度への切り替えも可能で、利用者の安全に配慮しています。
※竣工後25年を目安と考えています。
入退室管理システムを中心とした、安心・安全のビルセキュリティー
統合ビルセキュリティーシステム「MELSAFETY(メルセーフティー)」
「MELSAFETY(メルセーフティー)」は、ビルで働く人々の安全はもちろん、コンプライアンスや機密情報管理の強化、働き方改革、BCP※対策といった様々な課題の解決に向けて、大規模から小規模まで、また、オフィス・病院・工場などあらゆる建物のセキュリティーニーズにお応えします。
さらに、就業管理システムとの連携による正確で効率的な就業管理や、来訪者受付システムとの連携による受付の省力化、複数拠点管理などにより、業務の効率化・省力化にも貢献します。
※事業継続計画(Business Continuity Plan)
様々なビル設備の一元管理による、小中規模ビルの省エネと快適性のサポート
ビル統合ソリューション「BuilUnity(ビルユニティー)」
「BuilUnity」は、中・小規模の建物向けに、中央監視システムと入退室管理システムの機能をパッケージ化した統合システムです。入退室履歴と在室者のID情報をもとに、在室状況に応じて、空調、照明などのビル設備を連携制御し、省エネと快適性の向上を実現します。また、クラウドサービスを契約いただくことで、スマートフォンやタブレットでビル1棟~複数棟の設備の状態をどこからでも監視・制御できるため、ビル管理業務の効率化に貢献します。
ビル設備運用システム&プランニング「facimaBA-system(ファシーマビーエーシステム)」
「facima BA-system」は、中・大規模の建物において、空調、照明などの各種設備を監視・制御する中央監視システムです。ビルの電力ピークを監視し、空調・照明設備の運転をあらかじめビルの管理者が決めた優先順位で停止するデマンド制御機能や、空調ローテーション制御機能などにより、各種ビル設備を自動制御します。これにより、快適性・利便性に配慮した無理のない省エネなどを実現します。また、サポートサービスを利用いただくことで、ビル設備の運転データの収集・分析やエネルギー使用状況の見える化などを行い、ビル全体の省エネや運用コスト低減に向けたソリューションを提案します。
省エネで快適、カーボンニュートラル社会に貢献するビルを実現
ZEBソリューション
ZEBに必要な設備(空調、換気、照明、給湯、昇降機、BEMS等)の選定・納入から運用開始後の省エネ支援サービスまでをワンストップで提供。ZEBプランナーとしての豊富な実績を活かし、全国各地でのZEB実現をサポートしています。
ロボットのビル内移動支援やZEBの運用支援を通じたスマートビルの実現に貢献
スマートシティ・ビルIoTプラットフォーム「Ville-feuille®(ヴィルフィーユ)」を活用したビル運用支援サービス
近年、省エネ・省力化を実現しつつ人が安心できる環境で効率的な仕事を行える空間を提供する「スマートビル」への期待が高まっています。このスマートビルの実現に向けて三菱電機は、クラウド上に蓄積したビル設備データの利活用を可能にする独自のスマートシティ・ビルIoTプラットフォーム「Ville-feuille®(ヴィルフィーユ)」を開発し、これを活用した各種ビル運用支援サービスを提供しています。
「ロボット移動支援サービス」は、ロボットの縦移動を可能にする「エレベーター連携」機能やセキュリティーエリアの通行を可能とする「入退室管理システム連携」機能、それらと人の安全の確保を両立させることで、人手不足解消の鍵となる配送、警備、清掃などのサービスロボットがビル内で活躍することを支援し、ビル管理の省力化に貢献します。
「エネルギーマネジメントサービス」は、ビル設備の稼働データをクラウド上で一元管理し、遠隔から設備の稼働状況の確認や制御を可能とすることで、設備管理業務を省力化し、ビルの運用効率化を支援します。
光のアニメーションによる誘導で、施設内の円滑な移動を支援
ビル統合ソリューション「てらすガイド」
近年、大規模複合施設の増加などにより施設内の移動が複雑になるなか、来訪者、特に外国人・高齢者・車いす利用者などに的確に情報を伝達する重要性が高まっています。「てらすガイド®」は、光のアニメーションを床面に投影し、施設利用者が直感的に案内や注意を理解できるようにし、スムーズな移動を支援します。また、時間や状況に応じて表示内容を簡単に変更できるため、案内業務の効率化や、建物管理業務の省力化、看板作成などの費用削減にも貢献します。