GISTプロジェクト
Global Initiative for Sustainable Technology
GISTとは
GIST(ジスト)とは「Global Initiative for Sustainable Technology」の略称です。三菱電機グループ各部門から多様なメンバーが集い、グローバルかつサステナビリティの視点で新事業の創出・強化に取り組むべく、2023年にプロジェクトとして発足しました。
GISTが目指すのは「ネイチャーポジティブのフロントランナー」です。気候変動や環境汚染などにより私たちの生活や経済活動の基盤となる「自然資本」が失われつつある現実から目を背けず、イノベーションの力で豊かな地球を取り戻し、次世代につなげる、という信念を持って取り組みを進めています。
コンセプトムービー “Take Back What Matters”
このコンセプトムービーはカンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル2026「Film Craft」部門にて、ショートリスト(受賞候補)に選出されました
人間が豊かに生きることは、自然を犠牲にすること?
そうじゃない。私たちは信じている。
どちらも犠牲にしない、共に生きる未来があることを。
技術は可能性に満ちている。
私たちのイノベーションは、希望を設計する力だ。
私たちのためにつくった技術を、次は地球のために使おう。
考えよう、あらゆる可能性を。
選ぼう、すべての生きものが豊かに暮らせる世界を。
次世代の子どもたちが、青い空を見上げ、
澄んだ海で泳ぎ、美しい地球に生きることを喜べるように。
いま、私たちは一歩を踏み出す。
取り戻そう、いちばん大切なものを。
制作に込めた想い
この映像では、気候変動をはじめとする社会課題の影響を「火」、その影響を受ける生命や自然を「蝋」でかたどったモチーフで表現しています。環境破壊が進めば、そこに生きる命が静かに脅かされていく。その現実を直感的に伝えるストップモーションフィルムです。
キーメッセージ「Take Back What Matters – 取り戻そう、いちばん大切なものを –」には、地球環境を守ることと経済発展を両立する選択を追求し、次世代が安心して暮らせる世界に貢献するという私たちの決意を込めました。
構想にかけた期間は、約18ヶ月。キャラクターは、イラストレーターのイラストをベースに、すべて蝋で制作。2,500枚を超える写真で、1本の映像を構成しています。
物語は、主人公が楽しそうに過ごす地球で、他の生きものや自然が溶けていくシーンから始まります。
私たちが直面している危機を真摯に見つめながら、サステナビリティ視点の事業と共創を通じて、すべての命が安心して暮らせる世界を目指していきます。
私たちのミッションとビジョン
ミッション:
次世代まで届くイノベーションで、豊かな地球を取り戻す
「次世代」という言葉には、未来の世代へ価値を提供したいと願うメンバーの強い想いを込めました。「豊かな地球を取り戻す」という表現が示すのは、明らかに失われつつある豊かさへの危機感です。いま手を打たなければ永遠に失われてしまう。だからこそ、私たちはその豊かさを少しでも取り戻し、次へとつないでいく決意を固めています。イノベーションを通してこの志を実現することが、私たちの使命です。
ビジョン:
ネイチャーポジティブのフロントランナーになる
ただ最前線をひた走るのではなく、周囲によい影響を与えながら、自然と仲間が集う存在になっていきたい。そして、サステナビリティの実現に向けた行動変容のきっかけとなり、大きなうねりを作っていきたい――そんな想いを込めて、トップランナーではなく「フロントランナー」と表現しました。私たちが目指すのは、自然・社会・経済が調和し、人も自然も共に豊かになる世界です。
DOC(Direct Ocean Capture)について
DOC(Direct Ocean Capture)とは、大気中のCO₂除去を目指す技術であるCDR(Carbon Dioxide Removal:二酸化炭素除去)の1つです。
気候危機が深刻化する中、パリ協定で示された+1.5度目標*を達成するには、企業や家庭からのCO₂排出量を減らすだけでは十分ではなく、すでに大気中に放出されたCO₂の除去が不可欠といわれています。
DOCは、海が炭素を蓄える性質や、大気と海のCO₂濃度差によって海がCO₂を吸収する仕組み、つまり海が本来持つ自然の力に着目した新しいCDRプロセスです。私たちが目指す、社会課題の解決と事業成長を両立させる「トレード・オン」の実現に向け、DOCの事業化に取り組んでいます。
- パリ協定で示された、世界の平均気温の上昇を産業革命以前に比べ2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をするという目標
海の力を借りたDOCの仕組み
海水中には、大気中の約140倍もの濃度(同体積比)のCO₂が含まれています。ただし、これは大気中のような気体ではなく、炭酸や重炭酸イオンなどの「溶存無機炭素」として存在しています。
DOCでは、大気に比べてCO₂濃度の高い海水をくみ上げ、DOCシステム内で「CO₂を抜く」電気化学的な処理を行います。CO₂を抜いた海水を海へ戻すと、海は濃度の均衡を保とうとして大気中のCO₂を吸収します。このようにして結果的に、大気中のCO₂を「除去」することができます。
3つの収益源
私たちはDOCを強固な「トレード・オン」事業にするため、収益構造の多様化にこだわっています。収益性の高い事業として成立させ、投資を呼び込むことが、社会課題解決の加速につながると考えるからです。
次の3本柱で、収益の多様化を図ります。
- カーボンクレジット販売:回収したCO₂を長期貯留・固定することで、金融商品であるカーボンクレジットを発行・販売
- 資源としてのCO₂販売:回収したCO₂を工業的な原料(飲料、燃料、化学品など)として利活用先に供給
- 有価資源の販売:海水からCO₂だけでなくミネラルなどの有価資源を抽出、利活用先に供給
40フィートコンテナ内に構築したDOC基礎技術検証機
基礎技術検証機内部
実証から商業化へ、DOCのこれから
DOCの一日も早い社会実装に向け、私たちは、海水をくみ上げる工程をすでに備えた大規模インフラへの統合を見据えて開発を進めています。これにより初期の設備投資を抑えながら、効率的で広範な展開を目指します。
基礎技術を確立した今、次なるステップは沿岸でのフィールド実証試験です。この段階から協業していただける新たなパートナーを探しています。実証試験では規模を現在の50〜100倍に拡大し、2030年までの商用プラント稼働を目指します。
お問い合わせ
三菱電機株式会社 サステナビリティ・イノベーション本部
サステナビリティ事業推進部 GISTプロジェクト推進室
〒100-8310 東京都千代田区丸の内二丁目7番3号
e-mail : info.gist@rh.MitsubishiElectric.co.jp