2018年モデルの最新機能では、住宅性能を読み取る技術がありますよね。省エネ性能が高いと聞いて、興味津々です。どのような技術なのか、教えてください。
濱田さん:住宅の事情はみんな違いますからね。例えば、隙間風が多くて、断熱があまり良くない家もあれば、断熱材が多く入っていて気密性の高い家も増えています。両極端で何倍も熱のロスが違ってしまいます。そこで、独自のセンシング技術で住宅性能を読み取り、ちょっと先の体感温度を予測できる「ムーブアイmirA.I.」を搭載しました。
エアコンというのは、もともと断熱の低い家をベースにして開発しており、どんどん冷やして、一定温度になっても急ブレーキをかけるわけにはいかないのです。どこかで出力を弱めていくわけですが、断熱の低い家だったら、ちょうど釣り合って心地よく過ごせる一方、断熱性能が高い家だと保冷効果が高く、寒くなりすぎてしまう。全く違う環境で同じ快適性を実現するのは至難の業でしたが、「ムーブアイmirA.I.」で実現することができました。
今年のモデルは住宅性能を先に学習していきます。「この家は断熱性が高い」とわかると、ある程度冷えてきたら、ちょっとセーブするような制御機能が入っています。
その機能は、どのような仕組みでしょうか。
濱田さん:運転中に冷却能力と室温を見ています。最初はハイパワーで一気に冷やします。その後、トロトロ運転になり、ちょうどいい温度に釣り合うので、そこを見ています。あと、外気温との温度差ですね。例えば、外が暑いと、すごく冷房しなければいけない。外の温度が34度でエアコンの設定温度を24度にした場合、10度の温度差で、この部屋にはこの程度の冷却能力が必要、というデータが取れます。温度差を検知しているのです。
日射などの外の環境もみています。午前中は温度が上がっていって、午後から温度が下がっていきますから、明け方や夕方は冷房をつけっぱなしにすると冷えすぎてしまいますよね。そこを抑制するような制御が入っています。つまり、冷えすぎて不快になっている部分をカットするので省エネにもつながり、より快適に過ごすことができます。
暖房の場合では、午前中にだんだん日が昇って日差しも入ってきますので、暖かくなっていくことを予測して、暖房を先に弱めることもできます。これは「先読み運転」と呼んでいます。
予測できるエアコンなのですね!ところで、外気温というのはどこで検知しているのでしょうか。
濱田さん:室外機です。外の空気を吸い込んでいますので、それによって、室内の温度と室外の温度の差を見ています。徐々に学習して、それぞれの家に合わせて能力をカスタマイズし、住宅事情に合わせて補正しています。
いろいろな最新技術の組み合わせで、三菱電機のエアコンは省エネ性が高いのですね。これなら、こまめに運転をオン・オフしなくても、おまかせしておけば、快適な状態にしてくれるわけですね。
濱田さん:設定温度さえ1回決めれば、エアコンのほうで省エネしつつ、快適な室温に調整してくれますよ。