数多くの家電を製造する三菱電機では、廃棄された家電のリサイクルする仕組みを自社で持っています。その事業を行う「株式会社ハイパーサイクルシステムズ(以下HCS)」は、自社の家電だけでなく他社の廃家電も受け入れ、高度な分解、選別技術により、廃棄家電から純度の高い再生素材を生み出し、「ゆりかごからゆりかごへ」※1と呼ばれる循環型のものづくりをしっかり支えています。欧米でも今大きく注目される「サーキュラー・エコノミー」※2を担うHCSで工場を一般の方に紹介している石井さんは実際にその現場をどのようにとらえているのでしょうか。一般消費者の立場からリサイクルの現場で働く当事者になってからの気持ちの変化などを中心にお聞きしました。
- ※1 「ゆりかごからゆりかごへ」(Cradle to Cradle):モノの「廃棄」という概念をなくし、原材料から作られたモノを再び原材料として戻す、地球環境と生物多様性に配慮したモノづくりを意味する。
- ※2 サーキュラー・エコノミー:「循環型経済」のこと。資源循環の効率化だけでなく、資源の無駄や捨てられている素材、まだ使用できるにもかかわらず破棄されている製品などを活用し、利益を生み出すことを目指す考え方。EUでは経済成長戦略の一つとして位置づけている。