社長メッセージ

執行役社長 杉山 武史

企業活動を通じて、活力とゆとりある社会を実現するために

三菱電機グループは創立以来、主に製品やサービスの提供により社会に貢献してきました。
昨今の社会を見渡すと変化のスピードが速まり、気候変動や海洋プラスチックなどの環境問題、労働問題や人権問題など社会課題も多様化しています。グループ内外の力を結集し、さまざまな製品・技術・サービスを通じて社会課題の解決に貢献すること、これこそが私たちの存在意義であり、企業理念にある「活力とゆとりある社会の実現」に貢献することと考えます。

人々が重視する価値観が持続可能性や環境への配慮へ変わってきており、世界共通の目標であるSDGs(持続可能な開発目標)が策定されたことで、企業への社会課題の解決への期待がより強まっていることを実感しています。多くのステークホルダーから認められ続けるためには、三菱電機グループもしっかりと社会からの期待に応えていかなければなりません。

そうした思いから、三菱電機グループは、国際的な規範に基づいたCSR活動を推進するため、2018年5月に「国連グローバル・コンパクト」に署名しました。さらに、環境問題に対して長期的に取り組むべく、2050年に向けた「環境ビジョン2050」を策定し、「大気、大地、水を守り、心と技術で未来へつなぐ」ことを宣言しました。今後は、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言にも対応していきます。

私たちがこれらに対応する理由は、SDGsに掲げられた「誰一人として取り残さない」という考えを支持しているからです。「持続可能性」と「安心・安全・快適性」が両立する社会の実現に向け、社会、顧客、株主、従業員をはじめ、三菱電機グループに関わるすべての皆様にご満足いただき、同時に質のよい成長を実現していきたいと考えています。

  • SDGs(Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標)は、2015年に国連総会で採択された、2030年に向けた人、地球及び繁栄のための行動計画

SDGsの課題解決に寄与する取組

執行役社長 杉山 武史

三菱電機グループは、すべての企業活動を通じてSDGsの17の目標の達成に貢献します。中でも、総合電機メーカーとしての強みを発揮できる「目標7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに」、「目標11:住み続けられるまちづくりを」、「目標13:気候変動に具体的な対策を」については、技術シナジー・事業シナジー等を通じて価値を創出し、重点的に取り組んでいきます。これらは、三菱電機グループが定めたCSRの4つの重要課題の1つ目「持続可能な社会の実現」、2つ目「安心・安全・快適性の提供」に深く関わるものです。
エネルギーをめぐっては、太陽光発電や風力発電などの電力を最大限に活用し、地域の基本電源とすることが求められており、送配電網の安定化やエネルギーを柔軟に活用するための機器を供給するほか、AIによるデータ解析技術を高めて発電をより効率化していきます。あわせて、製品使用時のCO2排出量削減を推進し、気候変動対策にも貢献します。

まちづくりについては、社会インフラ事業を通じて貢献しています。例えば、空港周辺の風速や風向きを測定する「空港気象ドップラーライダー」をグローバル展開し、航空機の安全な離着陸を支えています。また、災害への備えとして、カメラによって河川の監視をする「画像式水位計測システム」によって降雨による河川の氾濫状況を把握するほか、「レーダーによる津波多波面検出技術」によって沿岸地域の防災・減災に貢献すべく、技術の実用化を目指しています。災害の発生を完全に防ぐことは困難ですが、製品や技術によって災害の発生を予測し、被害を最小化できると考えています。

CSRの重要課題を着実に推進

3つ目の重要課題「人権の尊重と多様な人材の活躍」も極めて重要です。人権対応では、2017年に「人権の尊重に関する方針」を定めて取組を強化してきました。今後はグループ内だけでなく、サプライチェーンを含めて、三菱電機グループのものづくりの過程で人権侵害が発生していないかを確認していく必要があります。

女性や外国人の積極的な活用は今後も継続していきます。単に人材不足を補うためではなく、本質的に「多様な人材の活躍」を考えなければなりません。特に、グローバルで事業を拡大している中、現地採用した人材に活躍してもらうことは重要です。そのため、世界のどこで採用された人材でも、三菱電機グループの企業文化を共有して活躍してもらえるよう、研修プログラムを用意し、ステップアップの道を整えています。

「働き方改革」も重視します。非常に残念なことですが、過去に長時間労働に起因する労働災害を起こしてしまいました。このようなことを再び起こしてはなりません。労働時間の削減は確実に進みましたが、本当の意味での業務効率化や仕事の質を変えるところまでには、残念ながらまだ至っていないように感じています。2019年度は、ITツールや在宅勤務制度の活用でフレキシブルな働き方をさらに推進するとともに、好事例の水平展開を加速させ、仕事の中身の質を変えて、誰もがいきいきと働くという、本来の「働き方改革」を進めていきたいと考えています。

4つ目の重要課題「コーポレート・ガバナンス、コンプライアンスの継続的強化」は企業の根幹を成すものです。コーポレート・ガバナンスについては、取締役会の経営監督機能の一層の向上のため、社外取締役への情報提供と意見交換の場の設置や取締役会レビューの継続的な実施等により、取締役会の実効性の更なる向上に努めています。中でも社外取締役とは、成長戦略などを含めた全社的な課題や個別事業戦略等、今後三菱電機グループが取り組むべき具体的なテーマを取り上げて議論を行っており、その多様な知見や経験を活かした有益な意見をいただいています。

2018年には、グループ会社にて、お客様と交わした契約仕様を満たさない製品が出荷されていたことが判明いたしました。三菱電機グループが徹底してきた倫理・遵法への取組が、まだ浸透していなかったことを重く受け止めており、トップダウンのメッセージの発信も含め、地道な浸透策を継続していきます。一方で、その事象を発見することができなかったチェック機能の問題でもあると考えており、再発防止に取り組んでまいります。

従業員とともに、持続的成長を目指す

三菱電機グループは「バランス経営」を経営方針に掲げていますが、「バランス」を財務面のみで捉えるのでは不十分です。財務数値を企業の「身長・体重」に、CSRを「人格」に例えると、その2つの面で、世の中から認めていただくことが大切だと考えています。利益を上げて納税し、雇用を生み出すことは企業として不可欠ではあるものの、今後企業価値を向上させるには、社会への貢献と自社の成長を両立させる視点が必要であり、社会課題解決を通じた持続的成長が求められます。

企業理念にある「活力とゆとりある社会への貢献」を支えるのは、従業員一人ひとりです。企業として社会課題を解決するには、まずは従業員が社会課題について理解しなければなりません。その上で、一人ひとりがどうすれば社会課題を解決できるのか真剣に考えることがイノベーションや事業につながります。一方で、社会全体の課題だけでなく、従業員にはボランティア活動等を通じて地域の課題解決にも貢献して欲しいと考えています。

三菱電機は、2020年度に創立100周年を迎えます。2019年度は、2020年度以降にどういう方向に向かっていくか、どういう会社になりたいかを描く年だとも考えており、方向性が決まり次第、従業員とも共有します。従業員が自分自身を成長させ、夢を持っていきいきと働けるよう、人を大切にする風土を醸成し、グループの総力を結集し、社会課題解決を通じた持続的成長を目指して共に進んでいきたいと考えています。

執行役社長 杉山 武史

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